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長野EDHオフ参戦記・前編

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長野EDHオフというこのイベントは、
長野県のEDHプレイヤーだけでなく、
他県のEDHプレイヤーも含めてオフ会をしようというイベント。
長野県のプレイヤー数人と、
他県のプレイヤー数人で、
お互いの地域を行き来する形でEDHオフをしていて、
今回は長野県での開催という事になったそうだ。

そして、
今回はその長野の主催者のお二人から
「お泊まりEDHやるので、よろしければ魔王様もいかがですか?」
と、お誘いをいただいた。
静岡からは友人TとスタッフSを誘い、3人で行く事に。
場所は長野の北のほう。
長野県下高井郡というところらしいが、
行った事が無い場所なので見当もつかない。
イベントは二泊三日。

金曜日の朝、静岡を出発。
御殿場→山梨→長野という、
富士山の周囲をぐるっと回って北に向かうルート。
電車での往復も考えたが、
時間と料金の両方であまりお得でないため、
友人Tの車で行くことに。

道中、
S「すいません、トイレ行きたいです。」
店主「老人はトイレが近いからなぁ。」
S「老人じゃないですが、トイレ行きたいです。」

パーキングエリアでトイレを済ませ、
ミルクティを買うS。
パーキングエリアを出て1時間ほどしたところで、

店主「おじーちゃん、トイレ大丈夫?」

S「まだミルクティあるので大丈夫です。」


まったく会話のキャッチボールが出来ていない。
「MTGと炒飯とミルクティと暴君ハバネロの事しか考えていないS」
なので、仕方がないのだが。
友人Tからは、
「Sさん、まさかボトラー?」
と疑いをかけられつつ長野へ向かった。
ボトラーが何なのかわからない人はググりましょう。
生きていくために必要の無い情報を得られます。

3人で談笑しつつ、サービスエリアに寄りつつ、
長い車の旅は4時間を超えた。
ほとんど高速道路の一本道ルートとはいえ、
車で4時間を超える旅はなかなかに長いが、
話題が尽きることなく長野に無事到着。

まずは宿泊先のホテルに荷物を放り投げ、
企画者の人たちとお蕎麦を食べに。

soba
食べたお蕎麦。
周囲に芸能人のサイン色紙がいっぱいあるお店だった。

ここで不思議な調味料に出会う。
名称は「かんずり」という。
kanzuri
聞いたことがあるだろうか?
少なくとも店主は初めて知るものだった。
調べてみたところ、
「越後妙高地場産の肉厚唐辛子を、
 雪原にさらした後、糀・柚子・塩と混合し、
 3年間熟成させた、地方独特の調味料。」
とある。
「雪原にさらす」
という一文が興味深い。
お蕎麦に入れても美味しいらしいので、
早速試してみた。
柚子の香りと唐辛子の辛さが蕎麦と合っていて、
辛い物好きにはぴったりの味だ。
その場で小瓶1本購入を決意。
MTGのイベントからこういった小さな味の発見もなかなかに嬉しい。
長野や新潟では一般的だと言われているかんずりも、
他県の人ではなかなか知る機会も無いだろう。

昼食が終わった後は、
ホテルの露天風呂へ直行。
このホテル、露天風呂は22時までだが、
ホテルの大浴場と併せて24時間いつでもお風呂に入る事が出来る。
なんともありがたいサービスだ。
風呂に1時間くらい入っている事もある店主としては、
風呂入り放題はとても嬉しい。

風呂後はEDHかなと思いきや、
まだ到着していない人もいるという事でその間は仮眠。

夕方にある程度の人数が集まり、
ひとまず夕食を済ます。
夕食はバイキング形式なので食べ放題。
種類も結構あって楽しめた。

そして今回のメインイベントの1つが始まった。

ヴィンテージEDHである。
あまり説明しなくても、
このイベント名だけで何が言いたいのかわかると思うが、
一応説明しておこう。

EDHの公式的ルールでは禁止されているカードを、

一切制限しないのでお前ら自由に殺しあえ。


である。
アンティに関するカードだけは禁止。

企画段階ではアンヒンジドやアングルードも解禁するつもりだったが、
あまりにルールを混乱させるというので、
ヴィンテージカードまでという事で落ち着いた。

ところで、4人対戦が一般的なEDHで、

《Fraternal Exaltation》
コスト:青青青青
ソーサリー
親のクローゼットに忍び込んでデッキを取ってくる。
あなたの新たな兄弟はゲームに参加する。

《Splendid Genesis》
コスト:緑緑緑緑
ソーサリー
ゲーム中のすべてのカードを切り直し、それらを3つのデッキに分ける。
そのゲームを新たなプレイヤーを加えて継続する。

この2つの呪文を撃ったらどうなるのだろう?
青いカードのほうは、
「よし!お前と俺は今から義兄弟だぜ!
 さらに、そこにいるお前、今からクローゼットにデッキを入れてくれ!
 そして俺とやくざ的親子の契りを交わそうぜ!」
と言い出せば一応、親と兄弟が用意可能だし、
あくまでゲームに参加するだけなので、
5人目が入るだけで問題無いのだろう。

しかし、問題なのは緑のカードのほうだ。
ゲーム中のすべてのカードを切り直し・・・デッキ4つもあるのだが。
ジェネラルどうするんだろう?
いや、ジェネラルだけは除外したとしても、
3つのデッキに分けて、
さらに新たなプレイヤーを加えて継続?
プレイヤーは5人いるのに、デッキが3つ。
どうやってプレイすればいいのだろう?

この2つのカードはアンヒンジドでもアングルードでもないのだが、
最初はこれらを含めて解禁するつもりだったそうだ。
誰が撃てるかは別として。

この全力解禁ルールだったら、
Richard Garfield, Ph.D.》をジェネラルに、
Blacker Lotus》まで使ったデッキにしようと思っていた。
同じ事を考えている人以外には、
一切負けないんじゃないかと思うジェネラルである。
カードの知識が無いとお話にならないが。
なお、《Richard Garfield, Ph.D.》をジェネラルにして、
Invoke Prejudice》というレジェンドのヘンテコレアをデッキに入れておけば、
《Fraternal Exaltation》を持っていなくても撃つ事が出来る。
もしアンヒンジドやアングルード解禁だったら、
迷わず店主はこれを狙っただろう。

アンヒンジドやアングルードが使えなかったのは残念だが、
こちらとしてはヴィンテージの世界以外で、
ヴィンテージカードを使える珍しい機会なので、
もう大喜びでデッキをいじる事になった。

ジェネラルは言うまでもない店主の相棒、
三日月の神/Kami of the Crescent Moon》である。
これをプレイした回数なら世界一なんじゃないだろうか。
そんなランキングどこにもないけれども。

デッキリストは割愛するが、
普段のEDHでは禁止されている今回採用のカードだけ書いておこう。

Black Lotus
Mox Sapphire
Ancestral Recall
Time Walk
Library of Alexandria

Time Vault
修繕/Tinker
トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy
引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn

この9枚だけだが、
デッキを9枚チェンジしたのではなく、
これらを有効的に使うためにデッキを変えているので、
もう少しだけデッキの構成は変化している。
日本語版が存在する上記3種のカードについては、
一時期のEDHでは使う事が出来たが、
あまりに強いので禁止された3種。
店主はその当時からEDHをやっているので、
当然この3種はEDHで使った事がある。
この3種は「久しぶりに使える。」であり、
残りの6種は「初めてEDHで使える。」である。
対戦する前から楽しみで仕方ないが、
どれだけひどい事が出来るかは想像がついている。
なお、このイベントのためだけに凶悪ヴィンテージカードを買った剛の者もいる。

このイベントは主催者のセンスが光るイベントだった。
「この無法地帯で勝利する事が出来る者は暴君である。
 だから、
 1戦終わるごとに勝利者には、
 暴君ハバネロを1つプレゼント。
 すべての対戦が終わったところで、
 一番暴君ハバネロ持っている人が優勝。」

というもの。
なお、優勝したくないというか、
暴君の称号がいらない人は、
もらった暴君ハバネロを食べて数を減らしても良いという、
特殊ルール付き。

なんとも面白いルールだ。
優勝したくないから暴君ハバネロ4袋食べるなんて言う人は、
2つの意味でいないと思うが。

チーム:サイレントヒル(静岡)のジェネラルは、

店主:《三日月の神/Kami of the Crescent Moon
S:《時間の大魔道士、テフェリー/Teferi, Temporal Archmage
T:《上位の空民、エラヨウ/Erayo, Soratami Ascendant

全員青単。
戦績は
「いかに無法地帯の青が最強であるか」
を証明する結果となった。
boukun
各ハバネロゲット数。
店主:ハバネロ6
S:ハバネロ3
T:ハバネロ2

他の人がパワー9クラスのカードをほぼ使っていない事もあったが、
やはり青くて禁止されているカードの強さは驚異的だった。
全員のデッキに
Time Vault》+《通電式キー/Voltaic Key》or《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker
の無限ターンを搭載しているだけあって、
引けば一撃必殺である。

Tのエラヨウは1ターン目に反転+《秘儀の研究室》を一度決めたそうだ。
もちろん秒速で3人が投了。

EDHのルールでは投了は推奨されていないが、
全員の了承のもと投了ならばOK。

言うまでもなく暴君の称号を得たのは店主。
チームサイレントヒルの3人は全員辛党なので、
暴君ハバネロをもらって大喜び。
古き邪悪な魔法たちを使える楽しさと、
ハバネロをもらえる喜びの非常に良いイベントだった。
中にはパワー9を初めて見る人もいて、
「こんなカードを見られるだけで幸せです!」
と言ってもらえるのは嬉しかった。
こちらとしては、こんな邪悪なデッキで対戦して、
なんだか申し訳ないような気持ちだと言ったら、
「倒されるのも楽しい。」
「これを見に来たようなもの。」
「何故このカードたちが禁止されるのかを実感できて嬉しい。」
「一度でいいからセラさんのデッキと戦ってみたかった。」
「《三日月の神》の強さを実感できて楽しい。」
といった感想をいただけた。

実際の対戦の内容については省くが、
とにかく火を吹いたカードは《Library of Alexandria》だった。
EDHではこのカードが初手にあるだけでゲームは全く違う。
EDHでは先手であろうと後手であろうとドローがある。
つまり、《Library of Alexandria》はどの順番であろうとも、
初手にあった場合にこれをセットするだけで追加ドローが出来る。
これが手札に来た時は、《三日月の神》を出す必要性が無い事もある。
のんびりとカウンターを構えて待っているだけで、
毎ターンアドバンテージを得られる。
セブンドローカードとの相性も最高で、
とりわけ土地をアンタップする効果がついている《時のらせん/Time Spiral》で、
Library of Alexandria》をアンタップすれば、
他者よりもカードを1枚多く引ける。
さらに、追加ターン呪文との相性も最高で、
一方的にアドバンテージを取り続けられる事も。
他人のターンの終了ステップに《Library of Alexandria》を起動し、
対応して手札から《神秘の教示者/Mystical Tutor》を唱え、
時間の熟達/Temporal Mastery》を奇跡で唱えるなど、
一般的なEDHで見られない光景を実現出来る。

また瞬殺コンボではないのだが、
ほぼ100%対戦相手が投了してくれる条件がある。

・《精神力/Mind Over Matter》がある。
・《Library of Alexandria》がある。
・手札が7枚ある。

これを満たすと、手札は思いのままの7枚になる。
墓地が自動的に追放されるエンチャントでも置かれていない限り、
これでコンボパーツを揃えてゲームを決めるだけである。
正確なプレイとしては必要な手札6+《引き裂かれし永劫、エムラクール》にして、
7枚目の必要なカードが来たら《引き裂かれし永劫、エムラクール》を捨てて、
ライブラリを回復させてコンボスタートすれば安定。
コンボスタートと言ってもこれらがそろっているのだから、
寺院の鐘/Temple Bell》1枚で終わりである。
あとは大量のカウンターでも構えていればOK。

この暴君杯が終わった後は、
フリープレイでいろいろな人と対戦する人、
お酒を飲む人、観戦する人などに分かれて、
眠くなるまで大騒ぎ。

店主は夜中の3時まで楽しんだ後に、
ホテルの大浴場に。
露天風呂が空いていれば嬉しかったが、
この時間は大浴場のみだそうだ。
それでも24時間どちらかのお風呂に入れるのはありがたい。
シーズンオフの影響と夜中であることから、
大浴場には他に誰もいない。
貸し切り状態のお風呂を楽しんだ後、
午前4時半に就寝。

続く。

ではまた。


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