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《病めるもの》4

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《病めるもの》3の続き。
MTGのカード名もほとんど出て来ず、
ただの店主の日常みたいなものなので、
どうでもいい人は《回れ右/About Face》で。

店主、頚椎症性神経根症という病により、
病院や指圧のような場所まで、
10ヶ所は行ったものの、
結局完治には至らず。

あまりにこの頚椎症性神経根症が治らないので、

「漢方薬はどうじゃろか。」

という思いに至り、
ネットで漢方薬を調べてみる事に。

漢方薬というやつは基本的に飲んだ途端に効果は出ず、
長い時間かけて飲み続けてやっと効果が出るという認識が一般的だ。
それでもこの痛みから離れられるのなら、
続けてみようと思った。

なんという名前の漢方薬で、
どこに行けば処方してもらえるのかわからないので、
そのあたりがわからないかなと思いながらネットを見ていたら、
偶然に伊豆の漢方薬局を見つけた。

伊豆なら直接行けるな、よし行ってみるか。
直接行ってみた。
その日の昼12時ぴったりくらいについた。

しかし目の前で、

「今日は昼12時から急遽お休みいたします。」

という看板を出される。

「え、これダメですか?ギリギリ12時くらいですが間に合わないですか?」

と言ってみるも、

「うん、ダメ。」

と言われすごすごと引き下がる店主。
ダメと言われたのだから、
引き下がるしかないのだけれども。
そんなにご近所から来たわけでもないんだけどなぁと思いつつ、
仕方なく日を改める事に。

後日、再度そのお店へ。
病状を話す店主。

薬剤師のお爺さん
「4種類飲めばいいよ。
 2ヶ月分だと2割引で7万円。」

待て、薬の説明を何もせずにいきなり7万円?
しかもそれで2割引き?
ちょっと愉快なお値段言われちゃったぞ、店主。
さすがに日常的に財布に入れている数字じゃないぞ、この数字。

少し前の《Bazaar of Baghdad》くらいの値段だぞ。
(だからといって《Bazaar of Baghdad》を買っている場合ではない。)
2割引きだって言われちゃったよ、
得な取り引き/Bargain》なの?これ。
どっちかって言うと《ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth’s Bargain》みたく、
店主のライフが減っていくほうじゃない?これ。

大丈夫か?


ファミ通の攻略本くらい大丈夫か?(※)



(※:こらむ下部に説明があります。)


結局、この時、持ち合わせにこんな数字は無く、
また、クレジットカードも使えない場所だったので、
買わずに漢方薬局を去る事にした。

そういえば、以前に知り合いに、
「年齢×1000円は財布に入れとくのが社会人の常識。」
(25歳なら2万5千円、40歳なら4万円ということ。)
みたいな事を言われた事があった。
この話はどうもバブル期のサラリーマンの話だったらしいとも聞いた。
この数字は今は適切ではないだろうなぁと思う。
キャッシュレスが進んでいる事もあるし、
経済状況もバブル期と今では大きく違う。

が、たまたまこの時、店主のお財布には年齢×1000円くらい入っていた。
残念ながら?店主は70歳のおじーちゃんではないので、
7万円は入っていなかった。


薬剤師のお爺さんは7万円くらい持ってそうだったけれども。


去り際にこのお爺さん、
「ここをどこで知った?」
と質問をしてきた。
「インターネットで検索したらたまたま見つけました。」
と回答したら、お爺さん、
「何の検索エンジン使った?」
と質問をしてきた。
オイオイ、お爺さんのわりに機械に強いな。
と思いながら、
「グーグルを使いました。」
と回答したら、
それらを全てメモしていた。
商売っ気の強い人なのかなぁ?この人。
いや、でも医療関係で商売っ気強いのは、
患者側としてはあんまり嬉しい話じゃないんだが。

この漢方薬局を出て、
「いや、他の漢方薬局でも同じ事言われるのか?」
という疑問を持ち、
別の漢方薬局に行ってみる事に。

それほど遠くない場所で漢方薬局を見つけ、
ひとまず入って、先程の事情を話してみた。

「漢方薬局でいきなり説明をほとんどせずに、
 4種類の漢方薬を出すという事はかなりおかしいです。
 ただ、値段はそれほどおかしな数字ではないです。
 4種類を二ヶ月分も出せばそのくらいはありえます。
 ただ、いきなり2割引・・・と話すのは、
 あんまり一般的では無さそうなお話ですね。
 インターネット等で広告を出したりして、
 とにかく商売という感じだとあるかもしれませんが、
 少なくともウチはそういうものではないです。」

とのこと。
うーん、あのお爺さん、やっぱり商売っ気しか無かったのだろうか。

この別の漢方薬局の薬剤師さんが言うには、
漢方薬というものに限らないが、
お薬というものをそんなにあれこれと種類を飲むと、
当然にして効果が被る事により、
効果が強く出過ぎてしまい、デメリットになる事もあるという。
(副作用とはまた別の事らしい。)
そのため、その漢方薬局では1種だけ出すのを基本としていると。
そして、現状の頚椎症性神経根症の痛みであれば、
この1種でまずは試していただいて、
効果が無いようであれば相談してほしいと。

うーん、あのお爺さんこんな事一言も無かったぞ。
本当にストレートに、
「ああ、頚椎症ね、
 じゃあ4種類。
 二ヶ月分で7万円。」(正確には69800円だったが。)
しか言わなかった。
その後は
「買うの?買わないの?」
という顔でこちらをじっと見るだけ。

そういう営業方法なのかもしれない。
何にしてもありがたくないお爺さんだったわけだ。

この2つ目の薬剤師さんと2時間ばかりお話を聞いて、
納得して1種の漢方薬を買った。
1種1ヶ月分で1万円くらい。
確かに4種なら1ヶ月4万円で、2ヶ月なら8万。
2割引で・・・と考えるとそれほどズレた数字ではないだろう。

薬によって値段も違うので、
あのお爺さんの数字がボッタクリなわけではない事も理解出来た。
だけれども、あそこでは買える気持ちになれなかった。

「医者もサービス業。
 自分もお客様に不安を与えるような仕事をしちゃいけないな。」
と考えながら漢方薬局をあとにした。

あと、持ち合わせに7万円無くて良かった。
もし7万円あったら断りきれなかったかもしれん。
雰囲気で断れないのではなく、痛みから逃れたい一心で。


この頚椎症性神経根症というやつはそれほど痛い。
普段お店等でスタッフやお客様と接している時も、
普通に接しているようつとめているが、
時々クロコダイン状態なのである。

Crocodine

顔で笑って、心でクロコダイン。

家に帰ると部屋で一人でクロコダイン状態は毎日に近い。

Crocodine4

常にベッドでこの状態。

早くこの状態から脱却したい。
この買ってきた漢方薬が効果があると良いのだが。

この《病めるもの》なんてこらむタイトルで、
まさか4つ目のこらむを書く事になるとは思わなかった。
そろそろ健康体に戻り、
別のタイトルで治ったと書きたいものである。
あとお金の使い道を医療費から紙切れにしたい。

ではまた。

※ファミ通の攻略本とは、
「大丈夫。ファミ通の攻略本だよ。」
というフレーズが、
エンターブレイン発行のゲーム攻略本の帯に必ずと言っていいほど表記されている。

なお、全然大丈夫じゃない。
むかしむかし、ファイナルファンタジータクティクスというゲームの攻略本に、

「エルムドア公爵が持つ源氏装備は、
 盗める確率は0%と表示されるが、
 このゲームでは小数点以下を切り捨てているため、
 実際は小数点以下の確率で盗める。
 気が遠くなるほど低い確率だが0ではない。」


という攻略本の記述があったが、
絶対に盗む事は出来なかった仕様だったという。

この源氏装備はモンスタードロップ、宝箱、イベント等の入手手段は一切無く、
このエルムドア公爵だけが持っているため、
ここで入手出来なければ他で入手は出来ないと、
当時のプレイヤーは皆思ったのである。

この誤情報のために何十時間という時間を『盗む』に費やし、
いくらやっても盗めずに心が折れ、
ファイナルファンタジータクティクスをやめてしまった少年がいた。

今、その少年はファミ通を許せないままカードショップのオーナーをしているらしい。

なにが「盗むのは至難の業。」だ。クソッ!!


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