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Magic30ラスベガス旅行記-五日目-(前編)

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Magic30ラスベガス旅行記-五日目-前編
10/30 :滞在五日目(日本時間10/31)

ベガス五日目、奇跡の日。

朝起きて、4人でホテルを出て、
Magic30の会場に行くのではなく、
向かう場所はダニエル・チャンのホテル。

先に書いておくとこの日、
ほとんどMagic30の会場にはいない。
しかも会場に行くような時間よりももっと早く。
朝の9時なんて普段の自分なら寝てる時間に出ている。

外国に行っても夜になると目が覚めて、
明け方になると眠くなる困った体質だ。

この日の奇跡は店主と友晴さんがいたから起きたと思うお話。

ダニエル・チャンからの招待

事はMagic30初日の日にさかのぼる。
あの会場に入った途端に店主がダニエル・チャンを見つけ、
先に歩いて行ってしまう友晴さんを止めて、
3人でお話をしたのがきっかけだった。

この時、友晴さんも店主もダニエルの言っている事を半分くらいしか理解してなかった。

その時の我々の認識は、

「エイホウ、サイトウ!
お前たちのホテルは俺のホテルと近いんだ!
だから遊びに来い!」

「遊びに来たら《Black Lotus》のプリント見せてやるよ。」

とダニエルが言っていると思っていた。
ついでに言うとダニエルは《Black Lotus》の形をしたプラモデルのようなものを持っていたので、
「なんかそういうアイテム見せてくれるのかな。」
くらいの認識をしていた。
自分だけの気持ちで言えば、
「コロナ禍で3年会えていなかったダニエルに即再会出来ただけで嬉しい。
そのダニエルが遊びに来いって言ってくれてなお嬉しい。」
くらいにしか思っていなかった。
そんなダニエルがちょっとめずらしいもの見せてくれるんだろうなと。

が、
どうも違うらしい。

結果としては想像の遥かに上を行くものを見せてもらった。

個人的には、
「以前にダニエルに見せてもらったアルファ40のデッキと、
Time Walk》の原画があったからな。
ちょっとやそっとじゃ驚く事はないな。」
なんて思っていた。
ついでに言うと別のコレクターから、
αのPSA10《Black Lotus》を見せてもらった事もある。
「この店主は相当なもんじゃない限りはびびらない。」
などとも思っていた。

《Black Lotus》の・・・

友晴さんの動画を見た人や、
店主のTwitterを見た人なら既に知っている事だろう。

Black Lotus》の原画だ。

言うまでもない、世界にたった1枚の最高の逸品だ。

MTG界のモナリザ。

この称号がふさわしい存在だ。

そのMTG界のモナリザをこの目で拝める日が来るとは思わなかった。
最初に聞いた時はまさかと思った。
眼前にそれが来るまで、
半ば冗談だろうと思うくらいだった。

ダニエル曰く

「これは今から購入者のもとへ発送するんだ。
お前たちにこの絵を見せたら封をして発送手続きをする。
ベガスに持ってきたのはただの偶然だ。」

と。
つまりダニエルは元の所有者から、
別の誰かへの仲介をしたのだろうと想像する。
その偶然のタイミングで我々はそれを見せてもらえたという事。
話によると
「午後には発送してしまう。」
「君たちがこれを見る最後の友人達だ。」
「他の人にも何人かには見せた。」
とも言っていた。
そんな話をしながら、
ダニエルのホテルの部屋に入るとテーブルの上に置いてある箱が1つ。

LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)

と書いてある。

「まさかこの中に《Black Lotus》の原画じゃないよねぇ?」

と日本人4人で笑い合う。

そのまさかだった。

なんでルイ・ヴィトンなんだ、ダニエル(笑)
いや、以前から
「案外と外国の人はアートは触れて楽しむものって人もいるから、
額縁に入れて保管とかが杜撰な事もあるんだよ。」
と額装屋さんから聞いた事はあったが、
この雑さでいいのだろうか(笑)
このルイ・ヴィトンの箱、
どうみても他のルイ・ヴィトンの製品が入っていたとしか思えない。
無事に購入者のところに届けばいいのだろうが。
こういうアバウトさはアメリカ人だなぁって思う。
日本人なら99%やらないと思う。
そんなアバウトさだからこそ、
我々に見せてくれるとも言える。

さすがに自分の財力では買う事はかなわないが、
見る事が出来、手で持つ事が出来るだけでも幸福としか言いようがない。

MTG界のモナリザというべき作品に触れる事が出来るのは、
まさにプレイヤー冥利というもの。
どれだけの人がこれを見たいと願うのだろう。
どれだけの人がこれを目にする事が出来るのだろう。
そしてどれだけの人がこれを目にしてきたのだろう。

見る事の出来た人の数は決して多くはないはず。
それをこうして見る事が出来る。
本当にラスベガスに来て良かったと思えた瞬間だった。

ラスベガスに来た理由

本当にただただMTGが好きなだけの自分。
人生の半分以上を既にMTGに突っ込んでいる。
今回のラスベガス行きも、
他の人達とは明らかに動機が違っている。
別に他の方の動機がダメなんて話ではないので、
変な誤解はしないでほしい。
ただ、自分はYoutubeをやっていないし、
他の事(SNS等)にも全然興味がないから、
動画撮影、チャンネル登録者、フォロワー数、再生数なんて興味がない。
他の動機というものが一切無く、
ただ純粋にMTGが好きでこのラスベガスに来た。
純粋にMTG好きで行った人は案外と日本人では少なかったと思う。
岡田さん、K、店主はまさにそういう人だった。
岡田さんのMTG歴はわからないが、
Kと店主は
「MTG歴四半世紀超え。」
という、
現時点で友晴さんさえそこには届かない相当珍しい領域。

MTG歴四半世紀を超え、
MTGが30年という節目を迎える時に、

「よし!ラスベガス行っちまおうか!
俺たちMTG好きだしな!」

という気持ちだけで動いた。

Kは軽い返事でOKしていたが、
MTGへの情熱無しで軽い返事はむしろ出来ない。
KはMTGと酒と麻雀のために生きているような生き物だ。
(何?それは店主と同じだろうって?
バカを言うな。一緒にしないでくれ。)
普段のKはだいたいこらむではネタにされるだけの男だが、
MTGへの情熱は相当なものだ。
この《Black Lotus》の原画という到達点は、
MTG大好きな気持ちを貫いて貫いて辿り着いた景色だと思いたい。

この話の流れである程度わかってもらえると思うのだけど、
この《Black Lotus》の原画はMagic30の会場にあったわけではない。
本当にただの偶然で見る事が出来たという事。
ダニエル・チャンが持ってきていて、
偶然再会出来て、
たまたま3人で話をしていたら見せてもらえたというだけなのだ。
一緒にいる友晴さん、岡田さん、Kの3人、
店主を含めた4人はこのMagic30のイベントに来た日本人の中で、
最高のご褒美をもらったと言って過言ではない。
確認出来ている限り、他の日本からベガスに行った人で、
Black Lotus》の原画を見たという人はいない。
原画を見た事がある日本人は100人もいないのでは。

余談といえば余談だけれども、
確か元K-1選手である佐竹雅昭さんは、
20年以上前にWotC社に行き、
Black Lotus》の原画を見たという話を聞いた事がある。
おぼろげな記憶ではあるけれども、

WotC社長「佐竹、何か欲しいものがあれば希望を言ってくれ。」
佐竹雅昭「《Black Lotus》の原画。」
WotC社長「それは無理。」

という会話があったと何処かで読んだ記憶がある。
たぶんこの頃にはWotCの会社に原画があったのだろう。
この時の佐竹雅昭さんの写真には、
Time Walk》の原画が写っていたと思う。
この話に覚えがある人いるだろうか。
書籍か何かで持っている人いたら連絡いただけたら嬉しい。

この話、自分のなんとなくの記憶なのだけれど、
もし本当なら佐竹雅昭さんも《Black Lotus》の原画を見た貴重な1人。
今も現役(K-1じゃなくてMTGのほう)でいらっしゃるのだろうか。
もし現役であるのならいつかお会いしたい。
いや、現役でなくともお会いしたい。
あの伝説の東京フレンドパークのお話を本人から聞いてみたい。

さて、お話を元に戻そう。

MTGをやっていなかったら、
Black Lotus》の原画見ても感動なんてしないんだけれども、
MTGやっていて良かった!
ここに辿り着けた事は本当に嬉しかった。
もう他に言葉を探す事が難しいくらいだった。


Time Walk》の原画を見た時もとてつもなく嬉しかった。
どっち?って言われたら、
ちょびっと《Time Walk》かもしれないくらいあの時感動していた。
そのくらい《Time Walk》が大好きなのだ。
でも、やっぱり「MTG界のモナリザ」の称号は別格だ。
しかもMagic30のために行ったラスベガスでだ。

気持ちとしてはもう
円安で1ドル150円とかどうでもいい。
航空券だとかホテル代だとかそんなものもどうでもいい。
ハンバーガーが1個3000円しててもどうでもいい。
極論なんだけれども、
Magic30の会場もどうでもいい。
もうただただ、
「俺はこれを見に来たんだ!」
そのくらいこの原画を見る事に価値があった。

世界選手権の会場がフランスで、
(しかも会場がルーヴル美術館)
生でモナリザを見た時よりも嬉しかった。
モナリザはモナリザですごいものなのだけれども、
「やった!モナリザ見れた!
このためにフランス来たんだ!
世界選手権なんてどうでもいい!」
とは思わなかった。
さすがにこの時は世界選手権のほうが大事だった。

見るだけと手に取る事が出来るでは大きく差もあったし、
持って写真を撮る事も許可されるのだから全く違うとも言える。
間違いなく
「手に持つ事が出来るもので、
人生で一番高額なもの」(人の命以外で。)
を持ったと思う。
これから先の自分の人生で、
これよりも高額な品を持つ事はあるのだろうか。
よく考えてみると多くの人の人生で、
「手で持つ事が出来て、一億円を超えるものを持つ機会」
って出会える事が少ない気がする。
美術館に行って高額の絵画を見る事は出来ても、
手で持つ事はかなわない。
そう考えるだけでもこれは相当に貴重な体験だ。

現代アートとMTG

なお、《Black Lotus》の原画は販売額は400万ドルだそうだ。
日本円にして約6億円。
以前に持ち主が売ってもいいと言っていた時は、
日本円で約7億円だった。
もっともこの当時の円とドルの相場は1ドル=150円では無かったので、
ドルの提示額では600万ドルほどだった。

言い値と実際の約定額に多少なり差が出たというか、
この時点での双方納得の行く数字が今はこの数字だったのだろう。
とはいえ、
これから先、MTGが滅びる事が無ければ、
いや、仮に滅びたとしても、
6億を下るようには思えない。
何年か先の未来では10億円すら見える可能性も。

ダニエルが言うには、
最近の現代アート(これがどのくらいの範囲かはわからなかった)の中では、
Black Lotus》の原画より高いものは1つくらいしかないとも言っていた。
そういった意味でも、
MTGの立ち位置がこの30年で相当に変わった事がうかがえる。
そのほとんどの時間をMTGとともに過ごし、
MTGの歴史をほぼそのまま体験し、
この記念すべき30年という時間に原画に出会えた事は本当に嬉しかった。

感謝

そして1つでもなにかがズレていたら出会えなかった奇跡。
例えば、
自分がラスベガスに行かなかったとしたら、
あのタイミングで友晴さんはダニエルに再会していないかもしれない。
友晴さんと一緒でなかったら、
ダニエルと自分と友晴さんの話は進まなかったかもしれない。
最初に入り口にダニエルを見つけなかったらこの話は出なかったかもしれない。
色々なものが良い方向に重なった結果だったのだと思う。

だからこそ皆にお礼が言いたい。

ダニエル、友晴さん、岡田さん、Kありがとう。

そして、
ここまでCardshop Serraを支えてきてくれたお客様、
色々なところで出会った人達のおかげで見る事が出来たものだと思っています。
皆様との出会いや支えあっての自分だと感じました。
普段からの感謝の気持ちも込め、
この場にてお礼を申し上げたいと思います。
ありがとうございます。

この《Black Lotus》のお話だけで長くなってしまったので、
ラスベガス五日目の残りは後編へ。
もう五日目の午後以降の時間なんてオマケもいいところ。
他の行動なんて何も書かなくてもいい気さえしてるけど、一応書こう。

ではまた。

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