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『統率者(2017年版)』先行プレビュー 《門の魔道士》

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■『統率者(2017年版)』先行プレビュー!



カードショップ・セラにて先行プレビューさせていただくカードは、まさしく統率者戦のために生まれてきたかのようなこのカード、「門の魔道士」である。

JP_HOU_0623 門の魔道士 (2)(青)

クリーチャー – 人間・ウィザード

瞬速
門の魔道士が攻撃クリーチャー指定ステップ中に戦場に出たとき、攻撃クリーチャー1体を対象とする。あなたはそれが攻撃するプレイヤーやプレインズウォーカーを選び直してもよい。(それはそれのコントローラーやそれのコントローラーのプレインズウォーカーを攻撃することはできない)

2/2

単純なようで、なかなか珍しい能力を持ったクリーチャーの登場である。

さて。
ではさっそく、このカードをどのように悪用できるかについて考えてみよう。


■悪用??


まず残念なことに、このカードはクリーチャーであり、しかも場に出たときの1回のみしかその能力を使用することができない。そのため、このカードを軸としてデッキを組むのは正直難しい。この時点で、このカードを「悪用」することには暗雲が立ち込める。1度きりの能力を悪用するとなると、その1度のコンボでプレイヤーの数人は倒せるくらいの威力でない限り、専用のデッキが組まれることはないだろう。

しかし、このカードの効果は、それを繰り返し使用することができないような設計となっていることが納得できるほどに、なかなか強力なものとなっている。
「対象クリーチャーの攻撃先を変更する」といった効果は一見とても地味であるが、2/2クリーチャーのオマケとして付いてくるものとしては、破格の可能性を秘めている。

まず単純な使い方としては、「自分に攻撃してきたクリーチャーを、他のプレイヤーに攻撃させる」となる。
とてもわかりやすい。単純に、自分が致死ダメージを受けそうなときに使えば生き永らえることができ、また他にライフの少ないプレイヤーがいれば、強制的に攻撃させることで窮地に追いやることができるだろう。じつに地味だが、決して無駄にならない効果である。

ちょっと応用した使い方としては、「倒されたくないプレイヤーを守る」ということもできる。
自分にとって有益な他プレイヤーが攻撃されたときにこのカードを使えば、攻撃1回分は守ることができる。もし他のどのプレイヤーも攻撃されたくない場合でも、最低でも自分自身を攻撃対象とすれば、このカードでブロックを宣言することができるだろう。《濃霧/Fog》の劣化版として考えるのではなく、特定の1体のみを操作することができるユーティリティと考えるほうが良いかもしれない。

misdirection


■悪用!!


さて、そろそろ「悪用」の時間である。
このカードを、とにかく「想定外」の方向で使い倒すことを考えてみよう。


ここで考えるべきなのは、このカードを如何にして「自分の攻撃クリーチャーに使うか」ということとなる。

当然の話であるが、他人のデッキの構成は操作不能である。他人のデッキを当てにしてコンボは組めない。
このカードでコンボを組むとなると、自分で自分の攻撃クリーチャーの攻撃先を捻じ曲げるのが一番だろう。

筆頭に上がるのは《フォモーリのルーハン/Ruhan of the Fomori》である。
4マナ7/7という圧倒的なマナレシオを持つこのカードであるが、統率者戦では意外と除去されないカードだ。
その理由は単純で、「自分以外の対戦相手のライフを削ってくれる」可能性が高いという1点につきる。攻撃先を選べないというデメリットがあるため、このカードは単純に、全プレイヤーのライフを均等(ランダムではあるが)に削るだけの装置となりがちであり、それ故に、圧倒的なマナレシオを誇るにも関わらず、除去の対象としては二番手以下になる状況が多々ある。(《荒れ狂う死者/Raving Dead》も同様)

Untitled-770

クリーチャータイプが「ウィザード」であるこのカードは、《激浪の研究室/Riptide Laboratory》でバウンスすることで、使い回すことが可能である。
フォモーリのルーハン/Ruhan of the Fomori》や《荒れ狂う死者/Raving Dead》とのコンボのためだけにデッキを組むのはさすがに過大評価であるとしても、実際問題として、「使い回しの可能性がある攻撃先の変更カード」のギミックは、なかなか強烈である。特に、《フォモーリのルーハン/Ruhan of the Fomori》は統率者として統率者戦で実用に耐えるスペックを持っており、また色も合っている。


また、忘れてはいけないのは、このカードは「特定のクリーチャー」に対して、特定の相手を攻撃させるという特性を持っている点である。
これは即ち、もしその「特定のクリーチャー」が、その攻撃先として選ばれたプレイヤーにとって致命傷となりえる存在であった場合、その「特定のクリーチャー」は全力で除去されるという未来が待ち構えているということである。例えばブロックできるクリーチャーがいないプレイヤーを攻撃する《ニコル・ボーラス/Nicol Bolas》、例えば大量のアーティファクトをコントロールするプレイヤーを攻撃する《ヘルカイトの暴君/Hellkite Tyrant》、例えば(極めて稀な状況ではあるが)場に存在するクリーチャーが《触れられざる者フェイジ/Phage the Untouchable》ただ1体のみであり、無人の荒野を走るフェイジの押し付け合いが発生する状況などなど。

そのような状況になった防御プレイヤーは、カードアドバンテージ等を度外視しても全力で攻撃クリーチャーを除去してくるだろう。もちろんそれは、もしそのプレイヤーがクリーチャー(ただし、本来であればブロックなどに費やしたくない)をコントロールしていれば、それでブロックせざるを得ない状況になることも意味する。もし、それによって攻撃クリーチャーと防御クリーチャーを相打ちに取ることができれば、このカードをデッキに入れる冥利に尽きるであろう。

willbender


■結局のところ。


このカードは、決して単体では光るカードではなく、また効果も派手さに欠けるものの、決して「無駄にならない」能力を持った有能なカードである。
あと、結構な美人さんであるので、カード価格が下落するのであれば、コレクションとしてとってもオススメである。

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