今回のデッキ紹介はお客様のリクエスト。
ジェラードと不愉快な仲間たちの1人、
《航行長ハナ/Hanna, Ship’s Navigator》さん。
「このジェネラルでどうしても強く作れないので、
Serraさんに作ってほしい。」
とのこと。
実はハナさんでのリクエストは2件いただいていた。
思ったより人気あるハナさんである。
どうでもいい知識ではあるが、
《練達の魔術師バリン/Barrin, Master Wizard》がお父さん。
《アカデミーの事務局長レイン/Rayne, Academy Chancellor》がお母さん。
二人の間に生まれた娘が《航行長ハナ》。
なお、ストーリーでは、
レイン→ハナ→バリンの順番に全員、ファイレクシアとの戦いの中で死ぬ。
バリンさんは《抹消/Obliterate》で自分もろともファイレクシア軍を爆殺。
畳の上で死ねない一家である。
《Hanna, Ship’s Navigator/航行長ハナ》
コスト:1白青
伝説のクリーチャー 人間(Human) 工匠(Artificer)
(1)(白)(青),(T):あなたの墓地にあるアーティファクト・カード1枚か、
エンチャント・カード1枚を対象とし、それをあなたの手札に戻す。
1/2
レア
3マナで1/2。
どう転んでもジェネラルダメージ21点は難しい。
タップ能力を活かせるかどうかだけがカギとなるカード。
最初から殴れないとわかっているようなものなので、
開き直った構築さえすれば戦いにはなる。
「装備品をつけてパンチ!
どうせ装備品を壊されても自身の能力で手札に戻せる!」
などという考えはどうみても無理である。
もっとコントロール寄りのデッキ構築のほうが面白いだろう。
とはいえ、
本人:1白青
能力:1白青
と決してコストが安くないところは問題である。
せめて起動が(白/青)(白/青)であれば、
まだ使いやすかっただろう。
なんにしても強ジェネラルの仲間入りにはちょっと難しい子だ。
デッキは以下。
ジェネラル:《航行長ハナ/Hanna, Ship’s Navigator》
-クリーチャー6枚-
《呪文滑り/Spellskite》
《エーテリウムの彫刻家/Etherium Sculptor》
《粗石の魔道士/Trinket Mage》
《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》
《アカデミーの学長/Academy Rector》
《太陽のタイタン/Sun Titan》
-インスタント10枚-
《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
《秘儀の否定/Arcane Denial》
《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
《Mana Drain》
《危険な研究/Perilous Research》
《直観/Intuition》
《意志の力/Force of Will》
-ソーサリー5枚-
《加工/Fabricate》
《牧歌的な教示者/Idyllic Tutor》
《Timetwister》
《意外な授かり物/Windfall》
《至高の評決/Supreme Verdict》
-エンチャント11枚-
《浄化の印章/Seal of Cleansing》
《ダークスティールの突然変異/Darksteel Mutation》
《沈黙のオーラ/Aura of Silence》
《拘留の宝球/Detention Sphere》
《忘却の輪/Oblivion Ring》
《リスティックの研究/Rhystic Study》
《予期の力線/Leyline of Anticipation》
《オパール色の輝き/Opalescence》
《パララクスの潮流/Parallax Tide》
《パララクスの波/Parallax Wave》
《未来予知/Future Sight》
-アーティファクト34枚-
《金属モックス/Chrome Mox》
《ギックスのかぎ爪/Claws of Gix》
《水蓮の花びら/Lotus Petal》
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《オパールのモックス/Mox Opal》
《上天の呪文爆弾/AEther Spellbomb》
《Despotic Scepter》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《通電式キー/Voltaic Key》
《アゾリウスの印鑑/Azorius Signet》
《友なる石/Fellwar Stone》
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《胆液の水源/Ichor Wellspring》
《乳白色のダイアモンド/Marble Diamond》
《精神石/Mind Stone》
《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
《空色のダイアモンド/Sky Diamond》
《発展のタリスマン/Talisman of Progress》
《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》
《統率者の宝球/Commander’s Sphere》
《霊気貯蔵器/Aetherflux Reservoir》
《面晶体の記録庫/Hedron Archive》
《カルニの宝石/Khalni Gem》
《スランの発電機/Thran Dynamo》
《ヴィダルケンの宇宙儀/Vedalken Orrery》
《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
《記憶の壺/Memory Jar》
《パラドックス装置/Paradox Engine》
《精神隷属器/Mindslaver》
-プレインズウォーカー1枚-
《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》
-土地32枚-
《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
《灌漑農地/Irrigated Farmland》
《大草原の川/Prairie Stream》
《Tundra》
《乾燥台地/Arid Mesa》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》
《古えの居住地/Ancient Den》
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《真鍮の都/City of Brass》
《統率の塔/Command Tower》
《氷河の城砦/Glacial Fortress》
《マナの合流点/Mana Confluence》
《秘教の門/Mystic Gate》
《金属海の沿岸/Seachrome Coast》
《教議会の座席/Seat of the Synod》
《広漠なるスカイクラウド/Skycloud Expanse》
《産業の塔/Spire of Industry》
《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》
《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair》
《発明博覧会/Inventors’ Fair》
《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》
2《平地/Plains》
3《島/Island》
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このデッキのキーカードはこれ。
《Despotic Scepter》
コスト:1
アーティファクト
(T):あなたがオーナーであるパーマネント1つを対象とし、それを破壊する。それは再生できない。
レア
いつの時代のレアだよ、と言いたくなるうえに、
なんでこれでレアなんだよ、と言いたくなるカード。
このカードはアイスエイジのレアで、
一度も再録されてもいないので、
日本語版の名前が存在しない。
知っている人達の間では「粉砕バット」と呼ばれる。
太古の時代では《停滞/Stasis》デッキに入ってたとも言われているが、
あまり使われた事もないへんてこカード。
1マナのアーティファクトなので、
《粗石の魔道士》で持ってくる事が出来る。
このカードを、
《パララクスの潮流》
《パララクスの波》
の2つと組み合わせるとなかなか面白い。
《パララクスの潮流》なら土地、
《パララクスの波》ならクリーチャー、
対象を追放する事をスタックに積んだ状態で、
粉砕バットで破壊すると、
「場を離れた時」の効果を先に処理した後に、
対象が追放されるため、
追放されたカードは戻ってくる事が出来ない。
そして、
粉砕バットで破壊された《パララクスの潮流》や《パララクスの波》は、
《航行長ハナ》の能力で手札に戻せば問題無しである。
《拘留の宝球》
《忘却の輪》
でも同じ事が出来る。
この粉砕バットそのものも壊されたとしても、
《航行長ハナ》の能力で墓地から戻せる。
起動コストはかかるものの、
《ギックスのかぎ爪》も《Despotic Scepter》と同じ使いみちだ。
類似品には
《テル=ジラードの鉄筆/Tel-Jilad Stylus》もある。
この《テル=ジラードの鉄筆》だと墓地ではなく、
ライブラリーの一番下にカードが行くので、
ジェネラルの能力で拾えなくなるという欠点はある。
《パララクスの波》と《オパール色の輝き》のコンボも搭載。
《オパール色の輝き》によって《パララクスの波》をクリーチャー化した状態で、
《パララクスの波》の起動型能力を何体かのクリーチャーに起動し、
その解決前に今度は《パララクスの波》の起動型能力を自分自身に起動するだけ。
こうすると、
上記の粉砕バットを利用した場合と同様、
《パララクスの波》以外のクリーチャーは追放されたまま。
その上で《パララクスの波》は消散5で戦場に戻るため、
一切のマナをかけずにクリーチャーとオーラでないエンチャントを追放し放題になる。
さらにこのデッキは《パラドックス装置》という邪悪なアイテムでのコンボも搭載。
《航行長ハナ》
《パラドックス装置》
生け贄等でカードを引けるアーティファクト
(このデッキのリストでは《起源の呪文爆弾》や《上天の呪文爆弾》等)
上記3種で可能。
《上天の呪文爆弾》を例に挙げると、
ハナの起動コスト(1白青)
《上天の呪文爆弾》のマナコスト(1)
《上天の呪文爆弾》のドロー能力の起動コスト(1)
この合計マナである3白青が、
置いてあるマナアーティファクトから出るのであれば、
無限ドローが成立する。
手順としては、
1:3白青のマナをマナアーティファクトから出す。
2:《航行長ハナ》で《上天の呪文爆弾》を墓地から回収する。
3:《上天の呪文爆弾》をプレイする。
4:《パラドックス装置》が誘発し、《航行長ハナ》やアーティファクトがアンタップする。
5:《上天の呪文爆弾》を生贄に捧げる。
これを繰り返す。
無限ドローを繰り返す途中で、
《魔力の櫃》や《魔力の墓所》を引くと、
無限マナにも到達可能になるので、
最後は《霊気貯蔵器》で全員を倒しに行く事が可能。
《上天の呪文爆弾》を無限に回収し続ける場合、
戻すクリーチャーがいなかったり、
ライブラリーが切れてしまう事もありえるけれども、
途中で《起源の呪文爆弾》に切り替えれば、
無限トークン+無限マナが完全成立する。
(《起源の呪文爆弾》のドローは任意のため)
この無限コンボを考えつつ、
基本としては《航行長ハナ》+エンチャントかアーティファクトでアドバンテージをとる。
よほどマナが余らない限りはきついが、
《航行長ハナ》+《精神隷属器》で相手を自爆させまくる事も。
ただし、
《航行長ハナ》の起動:1白青
《精神隷属器》のプレイ:6
《精神隷属器》の起動:4
という合計13マナもかかるので、
なかなか成立しないだろう。
決まれば誰かしらをコントロールして自爆に追い込むプレイが出来るので、
高確率で勝ちに行ける面白い技だ。
起動は重たいものの、
動き出したらそれなりに仕事はしてくれる《航行長ハナ》。
リクエストしてくれたお客様がご満足いただけるかどうかはわからないものの、
Cardshop Serraの作る《航行長ハナ》のEDHデッキはこんな感じでした。
ではまた。
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EDHデッキ紹介その101(Hanna, Ship’s Navigator/航行長ハナ)
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