今回のデッキ紹介は、
白青赤の伝説牛。
以前にもお客様から
「この牛でデッキ紹介を。」
と言われていたジェネラルで、
随分と長くかかってしまったが、
やっとのことでデッキ紹介に。
《Zedruu the Greathearted/寛大なるゼドルー》
コスト:1赤白青
伝説のクリーチャー ミノタウルス(Minotaur) モンク(Monk)
あなたのアップキープの開始時に、あなたはX点のライフを得て、カードをX枚引く。
Xはあなたの対戦相手がコントロールするあなたがオーナーであるパーマネントの数である。
(赤)(白)(青):対戦相手1人を対象とし、あなたがコントロールするパーマネント1つを対象とする。
そのプレイヤーはそのパーマネントのコントロールを得る。
2/4
神話レア
4マナで2/4。
ジェネラルダメージ21点に一切期待出来ず。
何故このカードは牛なのか、
何故このカードはモンクなのか、
サッパリわからないが、
相当珍しい伝説の牛。
そして能力が前代未聞な能力。
アップキープに対戦相手の場に、
こちらがオーナーのパーマネントが無いと何も起きない。
自身の能力で《寄付/Donate》出来るのだが、
まずディスアドバンテージしてから、
のちのちでアドバンテージを稼ぐという不思議な生物。
デッキを紹介する前にこれを言ってしまうのは何だが、
強ジェネラルと呼ぶには少々難しい。
だが、弱いと断ずる程でもない。
ジェネラル:《寛大なるゼドルー/Zedruu the Greathearted》
-クリーチャー6枚-
《背信のオーガ/Treasonous Ogre》
《アカデミーの学長/Academy Rector》
《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》
《前兆の壁/Wall of Omens》
《金粉のドレイク/Gilded Drake》
《粗石の魔道士/Trinket Mage》
-インスタント13枚-
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
《流刑への道/Path to Exile》
《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
《渦まく知識/Brainstorm》
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《否定の契約/Pact of Negation》
《精神的つまづき/Mental Misstep》
《差し戻し/Remand》
《遅延/Delay》
《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
《意志の力/Force of Will》
《呪文貫き/Spell Pierce》
《秘儀の否定/Arcane Denial》
-ソーサリー12枚-
《鞭打ち炎/Whipflare》
《紅蓮地獄/Pyroclasm》
《Wheel of Fortune》
《時間のねじれ/Time Warp》
《時間操作/Temporal Manipulation》
《荊州占拠/Capture of Jingzhou》
《時のらせん/Time Spiral》
《時間の熟達/Temporal Mastery》
《思案/Ponder》
《意外な授かり物/Windfall》
《Timetwister》
《永劫での歩み/Walk the Aeons》
-エンチャント9枚-
《ズアーの運命支配/Zur’s Weirding》
《ペンドレルの霧/Pendrell Mists》
《Moat》
《夢の潮流/Dream Tides》
《Illusions of Grandeur》
《命運の掌握/Grasp of Fate》
《凡人の錯覚/Delusions of Mediocrity》
《権威の行動/Act of Authority》
《広がりゆく海/Spreading Seas》
-プレインズウォーカー1枚-
《滞留者ヴェンセール/Venser, the Sojourner》
-アーティファクト24枚-
《サファイアの大メダル/Sapphire Medallion》
《精神石/Mind Stone》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《イゼットの印鑑/Izzet Signet》
《ボロスの印鑑/Boros Signet》
《アゾリウスの印鑑/Azorius Signet》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《金属モックス/Chrome Mox》
《オパールのモックス/Mox Opal》
《発展のタリスマン/Talisman of Progress》
《友なる石/Fellwar Stone》
《ストリオン共鳴体/Strionic Resonator》
《連合の秘宝/Coalition Relic》
《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《冬の宝珠/Winter Orb》
《Jeweled Amulet》
《霊気貯蔵器/Aetherflux Reservoir》
《予言のプリズム/Prophetic Prism》
《水蓮の花びら/Lotus Petal》
-土地34枚-
《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》
《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge》
《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
《Tundra》
《Plateau》
《Volcanic Island》
《氷河の城砦/Glacial Fortress》
《断崖の避難所/Clifftop Retreat》
《硫黄の滝/Sulfur Falls》
《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
《蒸気孔/Steam Vents》
《真鍮の都/City of Brass》
《広漠なるスカイクラウド/Skycloud Expanse》
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《統率の塔/Command Tower》
《発明博覧会/Inventors’ Fair》
《The Tabernacle at Pendrell Vale》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《乾燥台地/Arid Mesa》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
《樹木茂る砦/Wooded Bastion》
2 《平地/Plains》
4 《島/Island》
1 《山/Mountain》
——————————
何をするデッキなのかわからない人も多いかもしれない。
基本はジェネラルありきのデッキなのだが、
デッキの動きが結構複雑。
デッキの中は、
・誰がコントロールしていても効果が変わらないパーマネント
・誰かに《寄付》しても無害なパーマネント
をいくつも入れ、
基本としてはそれをジェネラルで対戦相手に《寄付》から始まる。
パーマネントを1枚でも《寄付》しておけば、
一応毎ターンドローとライフがもらえるので、
極論で言えば相手に印鑑や土地を押し付けるのも1つの選択。
ターンの経過さえあれば失ったアドバンテージは戻ってくる。
ここがポイント。
印鑑や土地を押し付けたとしても、
数ターン経過するとアドバンテージを得ているのは、
間違いなくこちら側になるという事。
この点がこのジェネラルが決して弱いわけではない理由。
単純にアドバンテージを計算した例を見てみよう。
プレイヤーA、B、Cと自分といたとする。
プレイヤーAに土地を1枚ジェネラル能力で《寄付》。
この時点では、
自分:-1
A:+1
B:0
C:0
となる。
自分のターンを迎えて、
ジェネラルの追加ドローのおかげで、
自分:0
A:+1
B:0
C:0
になる。この時点ではAだけが有利。
しかし、次のターンでAと自分の有利さが並び、
それ以降では自分だけが一方的に有利になる。
スロースターターである事は間違いないが、
アドバンテージ数では馬鹿に出来ない。
相手に《寄付》する数次第で、
このアドバンテージ数は大きく変わる。
基本としては、
《Moat》
《The Tabernacle at Pendrell Vale》
《夢の潮流》
《ペンドレルの霧》
といった、相手を困らせるカードで、
誰がコントロールしていても構わないカードを押し付けつつ、
追加ターン呪文でさらなるアドバンテージを稼ぎたい。
面白い技としては、
大昔に流行った《Illusions of Grandeur》を押し付ける技。
EDHなので下位互換的存在の《凡人の錯覚》も採用。
この押し付け技には案外と気付かないオマケがある。
それは《滞留者ヴェンセール》の能力。
ヴェンセールの1つ目の能力をよく読んでみてほしい。
[+2]:あなたがオーナーであるパーマネント1つを対象とし、それを追放する。
次の終了ステップの開始時に、それをあなたのコントロール下で戦場に戻す。
このカードの能力は、
「あなたがコントロールする」とは書いていない。
「あなたがオーナーである」と書いてあるのだ。
他人に《寄付》したカードを対象にする事が可能。
つまり、対戦相手に押し付けた《Illusions of Grandeur》を追放出来る。
追放後は「あなたのコントロール下で戦場に戻す」なので、
当然自分のところに戻ってくる。
もちろんさらにジェネラル能力で押し付ける事も出来る。
《Illusions of Grandeur》を出して、
相手に押し付けて、ヴェンセールで消すだけで、
自分は40ライフを得て、
対戦相手一人が20ライフ失うのである。
同じ対戦相手に2回行うと一人倒せるロマン溢れる技である。
ただそれだけで終わらないのがこのデッキ。
ジェネラルでライフがもらえる。
《凡人の錯覚》や《Illusions of Grandeur》でもライフがもらえる。
オマケ程度だが、《発明博覧会》でもライフがもらえる。
ここはカラデシュで出たロマン砲《霊気貯蔵器》の出番である。
《Aetherflux Reservoir/霊気貯蔵器》
コスト:4
アーティファクト
あなたが呪文を1つ唱えるたび、
このターンにあなたが唱えた呪文1つにつき1点のライフを得る。
50点のライフを支払う:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。
霊気貯蔵器はそれに50点のダメージを与える。
レア
カラデシュの中でも最高のロマン溢れる漢のカードと言っていい。
店主の友人達の間では「竜撃砲」の名で親しまれている。
《霊気貯蔵器》という名より竜撃砲で覚えてしまっている。
※竜撃砲とはカプコンの大人気ゲームである、
モンスターハンターに出てくるガンランスという武器の技。
竜撃砲は威力はそれなりにあるのだが、
あまり人気の無い武器である事、
竜撃砲の一撃に全てを賭ける大艦巨砲主義的である事など、
様々な理由から、
この竜撃砲の事をいつしかプレイヤーの間で
「ロマン砲」
と呼ばれるようになった。
余談になるが、
MTGプレイヤーでモンハン好きはとても多い。
EDHでは
《Illusions of Grandeur》でライフを増やし、
一人を《Illusions of Grandeur》のライフロスで沈め、
残りの二人を《霊気貯蔵器》で仕留める事、
または151ライフ以上の数値から
3人とも沈める事を
「フルバースト竜撃砲コンボ」と呼ぶ。
店主はこのデッキプレイ中に数回決めた事がある。
《霊気貯蔵器》の弱点の1つに、
コストで50ライフ払い、対象に50点ダメージを与えると宣言した際に、
当然、自分のライフがコストとして減っているわけで、
対応して本体を焼かれたら負けてしまう事もある。
竜撃砲も竜撃砲を撃とうとして構えた挙句、
反撃されてしまえば自分が不利になる点が、
無駄に似ている。
こういった点を含めてもまさにロマン砲である。
そしてEDHの場を大混乱させる1枚がこれ。
《Zur’s Weirding/ズアーの運命支配》
コスト:3青
エンチャント
プレイヤーは自分の手札を公開した状態でプレイする。
プレイヤー1人がカードを1枚引く場合、
代わりにそのプレイヤーはそれを公開する。
その後、他のプレイヤーは2点のライフを支払ってもよい。
いずれか1人のプレイヤーがそうした場合、
そのカードをオーナーの墓地に置く。
そうでない場合、そのプレイヤーはそのカードを引く。
レア
このカードも誰がコントロールしていようと変わらないので、
ジェネラルで押し付けてしまうカードの候補。
なのだが、
いかんせん能力が4人戦ではぶっとび過ぎている。
これを張ったが最後、有効的なカードは誰かがライフを払って潰しにくる。
つまりは、
・ライフに余裕がある。
・パーマネントと現在の手札でそれなりに有利に事を運べる。
という条件がある時にこれを張る必要性がある。
多少でも有利であれば、
あとはジェネラルのライフゲイン+ドロー能力で、
相手のドローを叩き潰しつつ、
自分の展開を決められる状況もありえる。
とは言うものの、
上記の2条件を満たしている中のダメ押し的カードなので、
張れるタイミングが限られている。
ツモ切り的にこれを張ると自身が不利になる事もあるので、
デッキから抜く選択でも構わない。
ただし、《ズアーの運命支配》は、
張ったらとても面白いので一度は使ってみていただきたい。
ちなみにこのカードを張ってから、
7ドロー系のカードを撃つとえらい事になる。
一度は経験してみる価値のあるプレイだ。
なお、このデッキを作ってプレイした時に、
お客様からは、
「よくこんな変なデッキ思いつきますね。」
「この牛でこんな使い方があるとは思いませんでした。」
「観戦しているだけでこんな面白いデッキ初めて見ました。」
とお褒めの言葉をいただいた。
レッツプレイ牛。
ではまた。
↧
EDHデッキ紹介その94(Zedruu the Greathearted/寛大なるゼドルー)
↧