今回のヴィンテージデッキ紹介は、
「今月のK」シリーズでおなじみのKのデッキ。
先日のCardshop Serraのヴィンテージ大会で使っていたデッキだ。
時期的に、灯争大戦とモダンホライゾンの両方とも採用可能。
デッキは青黒緑。
俗に言うBUGと呼ばれるデッキ。
-クリーチャー9枚-
4《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》
2《トレストの使者、レオヴォルド/Leovold, Emissary of Trest》
1《三角エイの捕食者/Trygon Predator》
2《闇の腹心/Dark Confidant》
-インスタント10枚-
4《意志の力/Force of Will》
1《渦まく知識/Brainstorm》
1《Ancestral Recall》
3《突然の衰微/Abrupt Decay》
1《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
-ソーサリー11枚-
1《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
1《思案/Ponder》
1《Time Walk》
4《一日のやり直し/Day’s Undoing》
1《悪魔の教示者/Demonic Tutor》
1《Timetwister》
2《思考囲い/Thoughtseize》
-アーティファクト6枚-
1《Mox Jet》
1《Mox Emerald》
1《Mox Ruby》
1《Mox Sapphire》
1《Mox Pearl》
1《Black Lotus》
-プレインズウォーカー6枚-
4《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
1《夢を引き裂く者、アショク/Ashiok, Dream Render》
1《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
-土地18枚-
1《Library of Alexandria》
2《Tropical Island》
3《Underground Sea》
1《Bayou》
2《汚染された三角州/Polluted Delta》
2《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
2《霧深い雨林/Misty Rainforest》
4《不毛の大地/Wasteland》
1《露天鉱床/Strip Mine》
-サイドボード15枚-
4《虚空の力線/Leyline of the Void》
3《花の絨毯/Carpet of Flowers》
1《突然の衰微/Abrupt Decay》
1《真髄の針/Pithing Needle》
2《強迫/Duress》
1《再利用の賢者/Reclamation Sage》
2《精神的つまづき/Mental Misstep》
1《自然の要求/Nature’s Claim》
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特筆すべきは《覆いを割く者、ナーセット》をメインに4積み。
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《Narset, Parter of Veils/覆いを割く者、ナーセット》
コスト:1青青
伝説のプレインズウォーカー ナーセット(Narset)
各ターン、対戦相手はそれぞれ、カードを2枚以上引くことができない。
[-2]:あなたのライブラリーの一番上からカードを4枚見る。
あなたはその中からクリーチャーでも土地でもないカード1枚を公開してあなたの手札に加えてもよい。
残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。
初期忠誠度5
アンコモン
灯争大戦の数あるプレインズウォーカーの中でも、
特に影響力の強いものの1つ。
スタンダードより他の環境にかなりの環境変化をもたらしている。
ヴィンテージならではの凶悪カードや、
2枚目の《覆いを割く者、ナーセット》にアクセスできる忠誠度能力も強力だが、
常在型能力の「追加ドロー禁止」が飛び抜けて強い。
レガシーやヴィンテージではこれが面白いように刺さる。
刺さらない相手と言えばMUDと呼ばれるアーティファクト単(茶単)くらいか。
レガシーでは《思案/Ponder》《渦まく知識/Brainstorm》《定業/Preordain》などの、
青の軽いドロー加速系に刺さる。
言うまでもないが、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》にも。
ところがヴィンテージだと《思案/Ponder》と《渦まく知識/Brainstorm》は1枚制限。
代わりに同じく1枚制限だが、
《Ancestral Recall》
《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
《宝船の巡航/Treasure Cruise》
などに刺さる。
また、ヴィンテージでは4枚使えて、レガシーでは禁止のカード、
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《Bazaar of Baghdad》
など、環境を左右するようなカードにも恐ろしく効く。
特に《Bazaar of Baghdad》は、
「引いたカードも手札も全部捨てて墓地を肥やす事」
が目的なので、
根本的にドローを止められるとかなり遅れる。
このデッキではそれを面白い形でさらに強く作っている。
《覆いを割く者、ナーセット》同様に追加ドローを止める《トレストの使者、レオヴォルド》の採用。
そして、パワー9の一角《Timetwister》。
その《Timetwister》の亜種、《一日のやり直し》を4積み。
これが組み合わさると、
《覆いを割く者、ナーセット》か《トレストの使者、レオヴォルド》で追加ドロー禁止。
その後《Timetwister》か《一日のやり直し》で7枚引き直し。
しかし、対戦相手は追加ドロー禁止なので、
自分:手札7枚。
相手:手札1枚。
となる。
場の状況で相当に押されているならともかく、
そうでない状況で手札で6枚差を付けられるのは厳しい。
これをレガシー禁止の《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》、
そしてパワー9のMoxシリーズや《Black Lotus》などを駆使して、
2~3ターンで狙いに行くデッキ。
そういえば《一日のやり直し》って何?という人もいそうなので説明を。
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《Day’s Undoing/一日のやり直し》
コスト:2青
ソーサリー
各プレイヤーはそれぞれ、自分の手札と墓地を自分のライブラリーに加えて切り直し、その後カードを7枚引く。
あなたのターンであるなら、ターンを終了する。
(このカードを含め、スタック領域にある呪文や能力をすべて追放する。
あなたの手札の最大枚数になるまで手札を捨てる。
ダメージは消え、「このターン」と「ターン終了時まで」の効果は終わる。)
神話レア
《Timetwister》との違いは、
・自分のターンなら強制的にターン終了。
・撃ったら《一日のやり直し》は追放。
の2点。
コストは《Timetwister》と同じなので、非常に手軽だ。
その手軽さで《覆いを割く者、ナーセット》と組み合わせて、
「手札破壊」と「手札補充」を同時に仕掛けてくる。
これに加えて、
《Bazaar of Baghdad》を使うデッキのように、
墓地を利用するデッキがヴィンテージには多く、
《Timetwister》か《一日のやり直し》で墓地を空っぽにされるのは痛い。
こういった組み合わせがとても理にかなっている。
いつもなら
「どこの何からその電波受信したの?」
と言いたくなる今月のKの行動と言動だが、
このデッキは面白い。
先日のヴィンテージには店主も参加して、
このデッキに当たったのだが、
綺麗に《一日のやり直し》+《覆いを割く者、ナーセット》を決められ、
一本はそのまま投了した。
そして、このデッキで彼は2位だった。
本人曰く、
「ぶっつけ本番で作ったから調整が出来ておらず、
サイドボードは相当練り直す必要がある。」
とのこと。
そうは言っても大会成績は良く、
動きも面白いデッキだったので、
これは紹介したいと思い、
デッキリストをいただいた。
灯争大戦とモダンホライゾンはなんだか、
「レガシー大戦」
「レガシーホライゾン」
と言いたくなりそうな程、
レガシーの環境に変化を与えてくれている。
ヴィンテージやレガシー等、
昔のカードから今のカードまで使える環境では、
最新カードが環境を変化させる事がそれほど多くないので、
こういう変化は非常に面白い。
昔のカードと最新カードの両方を使える環境ならではの楽しみだ。
同じ事はEDHにも言えるが、
やはりヴィンテージにまで影響が出るというカードは本当に面白い。
またKより、
「レガシーの時も言った気がするけれども、
ヴィンテージを1度やってみて欲しい。
パワー9等、ヴィンテージ特有の超高額カードの有無でデッキの強さが大きく違ってきちゃうのは否めない。
でも逆にあまりの理不尽さに笑えてくるし、
いつかは自分で打つ側に回ったときに再度笑えるから。
そして、デュアルランドと同じくほぼほぼ値下がりしないカードだから、
買ってから使わなくなっても2~3年後には、
買った時の値段以上で売れるから大損するって事もないと思う。」
というコメントをいただいた。
店主個人としてはKがこういう事を言う立場になってくれてとても嬉しい。
ただし、彼は相変わらず自分の持っていない強いカードは、
「そのカードはチートだから禁止すべき。」
と常に言っている(笑)
ではまた。
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ヴィンテージデッキ紹介その10。
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