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店主の非日常その2

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店主の非日常1に続いて、
ミューさんからのいただきもの。

前回の4つに続いて5つ目。

Time Walk》のβプルーフ。
time-proof

1つ前のこらむでも説明を書いていたプルーフ。
2刷目など普通はしていないので、
おそらく世界に50枚。
デッキに入れられないとはいえ、
Time Walk》大好きで
Amy Weber大好きな人には最高のコレクターズアイテム。
なお、ミューさんはこれを店主に譲っているのだが、
自身の分を1枚残したと言っていた。
さすがだ。

引き継いだカードは《Time Walk》のプルーフだけではなく、
Amy Weberさんの描いた絵のプルーフをかなりの量いただいた。

6つ目。

ワイバーンバック。
Wyvern-hymn

なにこれ?
と思う人も多そうだ。
なにせ、先日同業の人に見せたら知らなかったくらいだ。

ワイバーンバックというものは、フォールン・エンパイアのエラーカード。

セット名:フォールン・エンパイア/Fallen Empires
発売日:1994年11月15日
セットのカードの種類:102種(イラスト違いの同名カードを数えると187種)

このセットにはトラブルがあった。

このフォールン・エンパイアが印刷された当時、
MTGの印刷を担当しているベルギーにある印刷会社Carta Mundiが、
同時にWyvern(ワイバーン)というカードゲームの印刷も受け持っていた。
(このワイバーンもWizards of the Coast社のカードゲーム。)
しかし、MTGの裏面を印刷するはずが、
ワイバーンのシートと入れ間違えて印刷したため、
「表はMagic the Gathering、裏はワイバーン」
というエラーカードが作られてしまった。
もちろん、出荷に至る前にそのほとんどがチェックされ、
破棄されたものの、数ボックスが出荷されたという。
サマーマジックのお話に近いものがある。

現在、このエラーカードは、
「ワイバーンバック」
という名前で知られており、
高額で取引されている。

屈指のコレクターの条件

のこらむの時に条件に書こうかどうか迷ったが、
さすがにあまりにも珍しいのでやめた。
出回った数も完全に不明で、
持っている人を数える程しか見たことがない。
サマー同様ただの希少価値のみ。
出回った数が不明である事と、
現在までに店主自身で確認出来た枚数の少なさから、
サマーよりも貴重な品ではないかと思う。

このエラーカードで《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》が4種揃っているなんて、
奇跡的なコレクションだ。

店主「ミューさん、これいくらつけたらいいのかわかりません。」
ミューさん「難しいよね、これ。」
店主「そもそもワイバーンバックカードなんて、
 買取に来た事1度も無いですよ。」
ミューさん「普通は持ってないだろうからね。」
店主「あとミューさん、1ついいですか?」
ミューさん「なに?」
店主「このコレクション量、一線を退いた人のレベルじゃないと思います(笑)」
ミューさん「あははー、そうかもねー。」
店主「なんにしても買取価格が難しいアイテムです。」
ミューさん「ヒム4枚はセラちゃんが持っていてよ。あげるから。」
店主「ええ?!」

という事で《トーラックへの賛歌》4枚セットをいただいて、
他のワイバーンバックを買取という形になった。
驚かされる事の連続だ。
ミューさんの持っていたワイバーンバックの枚数は、
トーラックへの賛歌》を含めて20枚以上あったのだ。
4枚をいただける事も驚きだが、
それ以外にこれだけのものを持っていた事も驚きだった。

余談になるが、ワイバーンバックはPSA鑑定出来ない。
これについてはPSAに問い合わせをして確認済み。

7つ目。
セラコミック

コミック・セラエンジェル
または
セラエンジェル・コミック
と呼ばれるアイテム。
MTG黎明期のカードの中で、
単一のカードが書籍になったカードは多分《セラの天使/Serra Angel》だけ。
さすが、MTGを象徴すると言われるカードの1つだ。

この本に入っているRebecca版《セラの天使》は

From the Vault:Angels

で登場するまで、
この謎の本の付録のオーバーサイズドカードでしか見る事が出来なかった。
この本はどのくらいの部数を発行されたのか謎だが、
当然アメリカにしか出回っていない。
そして、
Rebecca版《セラの天使》は大人気だったので、
海外からなんとか入手する人もいたが、
この本はカードでもなんでもないので、
捨てられてしまったケースが結構あった。
そのため、出回るのはRebecca版《セラの天使》だけで、
本のほうは無いという事が多い。
店主はこのオーバーサイズドRebecca版《セラの天使》を二桁枚数持っているが、
本は1冊しか持っていなかった。

ミューさんはこの本の未開封を4つ入手し、
そのうちの2つをRebeccaさんに開封してもらい、
その場でサインをもらったのだそうだ。
よくそんな事が出来たなぁと感心するばかりだ。

8つ目。
これはちょっと紹介するかどうか迷ったけれども、
ネタになると思ったので。
テンペストスターター本・偽

一見何の変哲も無いテンペストのスターター。
未開封で残っている事は珍しいけれども。

ミューさん「多分これ偽物だと思う。」
店主「偽物・・・ですか?これ。」
ミューさん「これ(本物)と一緒に横にして見てごらん。」
店主「?!」
テンペストスターター横から

・・・高さが違うとは。
なんだか開けないでこのままのほうが面白そうだ。

店主「これ、なんだか開けてはいけない感じがしますね。」
ミューさん「そうでしょ?(笑)」
店主「未開封のままだからこそネタになるという感じが。」
ミューさん「そうそう(笑)」
店主「これはどうしましょうか。」
ミューさん「多分偽物だからタダで。
 セラちゃんの怪しいものコレクションに入れておけばいいよ(笑)」
店主「そうします(笑)」

なお、これ以外にも偽物のカードをいくつかミューさんから引き取っている。
中には、
「こんなものの偽物なんで作ったんだろう?」
と思うような品もある。
これらはCardshop Serraの偽物判別用資料の1つとして、
ひとまとめにして管理することに。

ちなみに、ミューさんも
セラの天使》とAmy Weberさんが大好きだったんだなとよくわかった。
昔、お世話になっていた頃に、
なんとなくミューさんはAmy Weberさん好きなのかな?
くらいには思っていたのだが、
これほどとは思わなかったというくらいのコレクションがあり、
だいたいの《セラの天使》は自分が購入したと思っていたが、
これだけ残してあった事を見ると、
ミューさんも好きだったんだなぁと思う。
それを引き継げた事は光栄な事であり、
心から嬉しく思う。

そして、これを読んでいる方、
なんだか話を引っ張るようで申し訳ない。
この「店主の非日常」のお話、
まだ終わらない。

続く。

ではまた。


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