このたび、『マスターズ25th』の先行プレビューを任されることになった。
当店より紹介させていただくカードは以下のもの。
《輪の大魔術師/Magus of the Wheel》
コスト:2赤
クリーチャー – 人間(Human)・ウィザード(Wizard)
(1)(赤),(T),輪の大魔術師を生け贄に捧げる:各プレイヤーはそれぞれ自分の手札を捨て、その後カードを7枚引く。
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レア
『統率者2015』からの再録。
《Wheel of Fortune》をクリーチャーとしてリメイクしたもの。
《Wheel of Fortune》
コスト:2赤
ソーサリー
すべてのプレイヤーは自分の手札を捨て、その後カードを7枚引く。
マナコスト+起動コストを見ると、
合計5マナであるところは
《魂の再鍛/Reforge the Soul》
を意識して作っている部分もありそうだ。
《輪の大魔術師》の起動コストが1赤
《魂の再鍛》の奇跡コストが1赤
というところも似ている。
クリーチャーであるため当然のごとく召喚酔いしてしまう。
7枚のカードを引くためにはあらかじめ戦場に出し、
その後召喚酔いが解けた後に能力を起動するという手順が必要。
使われる環境としては、
レガシー、ヴィンテージでは同じ魔術師のお月さまが鎮座しておられるので、
トーナメントシーンでこちらの魔術師はお目にかかれないだろう。
しかし、
統率者戦では十分に活躍の場が考えられる。
こと統率者戦においては、
7枚ドローを行えるカードは貴重である。
基本土地以外のカードは1枚ずつしか入れることができないため、
選択肢が1つでも増えることは重要。
また、
・能力をインスタント・タイミングで起動できること
・クリーチャーになったこと
を利用することもできる。
まず前者について。
《Wheel of Fortune》をごく普通に自分のターンに唱えた場合、
ドローした7枚のカードを唱えるマナを残せないことがある。
そうすると、
最初に7枚のカードを十分なマナで使うことができるのは対戦相手から、
ということになる。
一方《輪の大魔術師》は、
召喚酔いが解けてさえいれば、
対戦相手のターン終了時(自分のターンが来る直前)に能力を起動できる。
そうすれば、
自分が一番最初に、
引いたカードを十全なマナで使用できる。
後者について。
クリーチャーになったことで、
召喚酔いに影響されたり、
能力を起動する前に除去されてしまう危険性が増えたのは事実だが、
《動く死体/Animate Dead》に代表されるリアニメイト呪文での再利用がしやすくなった。
《ファイレクシア流再利用/Phyrexian Reclamation》《ヴォルラスの要塞/Volrath’s Stronghold》などの、
何度も使い回せるカードとの組み合わせはかなり強力。
召喚酔いは、
《熱情/Fervor》
《調和の中心/Concordant Crossroads》
《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
など、統率者戦で多く採用される速攻付与カードを併用すれば緩和できる。
上記のような自動速攻付与手段の場合、
5マナ出せる状態で3マナで魔術師をプレイ、2マナ残してエンド。
その後、自分の直前のプレイヤーの終わりに起動、
といった使い方だと理想的。
《Wheel of Fortune》でも《輪の大魔術師》でも、
対戦相手にもカードを7枚引かせるカードなので、
必ずリスクがともなう。
使うタイミングにだけは気をつけたい。
また、派手な能力に目を奪われがちだが、
3マナで3/3デメリット無しと、
赤としては珍しい高性能。
攻撃のためにタップしてしまうと能力を起動できないため、
起動コストの(1)(赤)を構えながらブロッカーとして様子見しつつ、
チャンスを狙うかたちになるだろう。
《輪の大魔術師》をうまく利用できる統率者としては、
《裏切り者の王、セドリス/Sedris, the Traitor King》
《精神破壊者、ネクサル/Nekusar, the Mindrazer》
あたりが挙げられる。
《裏切り者の王、セドリス》の場合、
蘇生したクリーチャーは追放されるため使い捨てになってしまうが、
能力を2回使用できるだけでも十分。
《精神破壊者、ネクサル》では、
相手に多くのカードを引かせる手段の1つとして活躍するだろう。
どちらの統率者にも固有色に黒が含まれているので、
上記で紹介した再利用手段と組み合わせることもできる。
まとめると、
統率者戦では常に選択肢の1つとして考えてもよい、
良質なクリーチャー・カードとして捉えることができるカード。
そんなカードが初めて再録される『マスターズ25th』。
大いに期待したいところだ。
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『マスターズ25th』先行プレビュー 《輪の大魔術師/Magus of the Wheel》
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