ある日、Cardshop Serraのスタッフ間で、
「マイナーな種族縛りでEDHデッキを組もう」
という事になった。
ルールとしては、
・マイナーなクリーチャー・タイプを1つ選び、
そのタイプを持つ伝説のクリーチャーをジェネラルにする。
また、各プレイヤーごと、違う色になるようにする。
・クリーチャー・カードをデッキに20枚以上入れる。
・選択したタイプを持たないクリーチャー・カードは使用不可。
・戦場に出る際にクリーチャー・タイプを選び、
自身がそのタイプになるクリーチャー・カードは使用可。
(《順応する自動機械/Adaptive Automaton》など)
・多相持ちのクリーチャーは全てのクリーチャー・タイプを持つので使用可。
・機体はクリーチャー・カードではないので、
種族縛りを無視して使用可。
(と言うか、「機体/Vehicle」はクリーチャー・タイプではなくアーティファクト・タイプ。
装備品と同じカテゴリである)
・部族タイプを持つインスタント等はクリーチャー・タイプに関係なく使用可。
こんなところ。
店主はアーティファクトが大好きなので、
ゴーレムで茶単(アーティファクト単)を組む事になった。
伝説のゴーレムを調べてみたが、
《銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem》
《鉄のゴーレム、ボッシュ/Bosh, Iron Golem》
の2体のみ。
ボッシュだと赤単になってしまうので、
カーン一択。
《銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem》
コスト:5
伝説のアーティファクト・クリーチャー ゴーレム(Golem)
銀のゴーレム、カーンがブロックするかブロックされた状態になるたび、それはターン終了時まで-4/+4の修整を受ける。
(1):クリーチャーでないアーティファクト1つを対象とする。それはターン終了時まで、パワーとタフネスがそれぞれ自身の点数で見たマナ・コストに等しいアーティファクト・クリーチャーになる。
4/4
レア
ブロックするかされるかすると0/8になるため、
虫(Insect)も殺せない性格と思いきや、
プレイヤーとプレインズウォーカーだけはキッチリ殴りに行く偽善者である。
また、
装備品を装備すると、
装備品の修正値の分だけ殴りにいけるため、
刃物を持つと性格が変わる危ないタイプである。
伝説のエルドラージ生物が登場するまでは、
純粋な茶単でEDHデッキを組むにはこいつしかいなかった。
能力はなかなかに面白く、
《教議会の座席/Seat of the Synod》などのアーティファクトランドや
《魔力の墓所/Mana Crypt》を1マナで墓地送りにしたり、
《液鋼の塗膜/Liquimetal Coating》とのコンボで土地を割れたりする。
デッキは以下。
ジェネラル:《解放された者、カーン/Karn Liberated》
-クリーチャー20枚-
《時間人形/Chronomaton》
《金属ミミック/Metallic Mimic》
《順応する自動機械/Adaptive Automaton》
《テゼレットの代人/Tezzeret’s Simulacrum》
《祖先の像/Ancestral Statue》
《電結の回収者/Arcbound Reclaimer》
《十二足獣/Dodecapod》
《ごみ引きずり/Junktroller》
《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》
《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
《通電式構成物/Voltaic Construct》
《ゴーレムの職工/Golem Artisan》
《先駆のゴーレム/Precursor Golem》
《真鍮の伝令/Brass Herald》
《魔道士輪の対応者/Mage-Ring Responder》
《ファイレクシアの巨像/Phyrexian Colossus》
《白金の帝像/Platinum Emperion》
《マイコシンスのゴーレム/Mycosynth Golem》
《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》
-インスタント2枚-
《次元の歪曲/Spatial Contortion》
《歪める嘆き/Warping Wail》
-ソーサリー1枚-
《全ては塵/All Is Dust》
-アーティファクト39枚-
《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《オパールのモックス/Mox Opal》
《探検の地図/Expedition Map》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《通電式キー/Voltaic Key》
《旅人のガラクタ/Wayfarer’s Bauble》
《頭蓋骨絞め/Skullclamp》
《友なる石/Fellwar Stone》
《砕けたパワーストーン/Fractured Powerstone》
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《守護像/Guardian Idol》
《液鋼の塗膜/Liquimetal Coating》
《精神石/Mind Stone》
《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
《思考の器/Thought Vessel》
《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
《速足のブーツ/Swiftfoot Boots》
《密輸人の回転翼機/Smuggler’s Copter》
《ファイレクシアの供犠台/Phyrexian Altar》
《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》
《威圧の杖/Staff of Domination》
《ウルザの保育器/Urza’s Incubator》
《摩滅したパワーストーン/Worn Powerstone》
《耕作者の荷馬車/Cultivator’s Caravan》
《霊気貯蔵器/Aetherflux Reservoir》
《前兆の時計/Clock of Omens》
《面晶体の記録庫/Hedron Archive》
《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》
《シッセイの指輪/Sisay’s Ring》
《スランの発電機/Thran Dynamo》
《ウル=ゴーレムの目/Ur-Golem’s Eye》
《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
《三つの願いの指輪/Ring of Three Wishes》
《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship》
《夢石の面晶体/Dreamstone Hedron》
《ニンの杖/Staff of Nin》
《イシュ・サーの背骨/Spine of Ish Sah》
-プレインズウォーカー2枚-
《解放された者、カーン/Karn Liberated》
《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
-土地35枚-
《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《枯渇地帯/Blasted Landscape》
《埋没した廃墟/Buried Ruin》
《魂の洞窟/Cavern of Souls》
《水晶鉱脈/Crystal Vein》
《溺墓の寺院/Drownyard Temple》
《幽霊街/Ghost Quarter》
《高級市場/High Market》
《家路/Homeward Path》
《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》
《Mishra’s Workshop》
《変わり谷/Mutavault》
《ファイレクシアの核/Phyrexia’s Core》
《ならず者の道/Rogue’s Passage》
《ウギンの聖域/Sanctum of Ugin》
《市長の塔/Tower of the Magistrate》
《焦土/Scorched Ruins》
《見捨てられた神々の神殿/Shrine of the Forsaken Gods》
《露天鉱床/Strip Mine》
《高層都市の玉座/Throne of the High City》
《不毛の大地/Wasteland》
《生けるものの洞窟/Zoetic Cavern》
《砂漠/Desert》
《屍肉あさりの地/Scavenger Grounds》
《ガイアー岬の療養所/Geier Reach Sanitarium》
《発明博覧会/Inventors’ Fair》
《ラースの果て/Rath’s Edge》
7《荒地/Wastes》
——————————
普通に茶単を組んだ場合は大抵入れるであろう、
《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》
《鋳造所の検査官/Foundry Inspector》
《金属細工師/Metalworker》
あたりが使えない。
上記3種のクリーチャー・タイプは全て構築物で、
現在のところ伝説の構築物は存在しないため、
種族縛りデッキでこれらを使用することはできなかった。
ゴーレムより構築物のほうがデッキの幅が広がるので、
できれば使いたかった。
なにせ、実質能力なしの《テゼレットの代人》など、
どう見ても数合わせなゴーレムを採用しなければならない。
決して弱っちいゴーレムばかりではなく、
《磁石のゴーレム》
《真面目な身代わり》
《先駆のゴーレム》
《荒廃鋼の巨像》
といった強力なゴーレムもいるし、
対戦する他の種族縛りデッキも大体似たようなものだろう、
と腹をくくる。
ジェネラルの能力でクリーチャー化したアーティファクト軍団でしばき倒せば、
きっとなんとかなる。
ジェネラルの能力だけなら強い。
一応無限コンボも搭載。
ジェネラル
+
《通電式構成物》
+
3マナ以上出るアーティファクト
で無限マナ。
EDHデッキ紹介その38(Kozilek, Butcher of Truth/真実の解体者、コジレック)
でも紹介した方法だ。
無限マナを生かす手段に乏しいのが辛いところ。
(《威圧の杖》で無限ドロー、
《ゴーレムの職工》で全クリーチャー速攻+無限パワーなどが可能)
あとは
《マイコシンスのゴーレム》
+
《祖先の像》
+
《霊気貯蔵器》
で無限ダメージ。
アーティファクトを4個以上コントロールしていれば、
《マイコシンスのゴーレム》の能力で《祖先の像》が0マナになるので、
《祖先の像》を唱えて、
戦場に出たときの誘発型能力で自身を戻す。
これを繰り返して好きなだけライフを得た後、
《霊気貯蔵器》の50点砲を連射して終わり。
しかし、
実際に種族縛りデッキ同士で対戦してみたところ、
このデッキではなかなか勝つことができなかった。
特にスタッフ間で遊んだ時は1回も勝てなかった。
スタッフの一人が、
《タールルームの勇士ターンガース/Tahngarth, Talruum Hero》をジェネラルにした赤単ミノタウルスを選択しており、
《汚損破/Vandalblast》
《破壊放題/Shattering Spree》
《焦熱の合流点/Fiery Confluence》
《力ずく/By Force》
などのアーティファクト破壊呪文を大量に積んでいたからだ。
上記のいずれもこのデッキにとっては致命的なカード。
無色のデッキで、
アーティファクトでないゴーレムなんているわけがないので、
一方的にブロッカーがすべて消し飛んでしまう。
例外は《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》だけだ。
アーティファクトをまとめて吹き飛ばされ、
《ハールーン・ミノタウルス/Hurloon Minotaur》をはじめとする、
牛の集団にボコボコにされた。
店主のMTG歴は相当なものだが、
《ハールーン・ミノタウルス》に殴り倒されたのは初めてだった。
二度とやらねえ。
ではまた。
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EDHデッキ紹介その110(Karn, Silver Golem/銀のゴーレム、カーン-ゴーレム単)
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