今回はお客様よりリクエスト。
今回のリクエストはなかなか嬉しいメッセージ。
「いつも大変楽しくコラムの方をよまさせていただいております。
Serraさんのコラムを読み、
最近MTGの方に復帰いたしました!
また、MTGと引き合わせてくれたことを非常に感謝しております。
そして、大変差し出がましいのですが・・・
私は何よりMTGの世界観が大好きで、
何よりファイレクシアの世界観が非常に大好きです。
今は、レガシーを中心にプレイをしているのですが、
もしSerraさんが、ファイレクシアを中心にレガシーのデッキ、
もしくはEDHのデッキを作るとしたら
どういったデッキになるのか見てみたいです。
お問い合わせではなく、非常に恐れ多いのですが、
もし考えていただけるのであれば幸いです。
最後になりましたが、
再びMTGと引き合わせてくれて本当にありがとうございます。 」
と、
復帰されたお客様からメッセージを頂いた。
自分の書いている文が復帰のきっかけとなった事はとても嬉しい。
さて、
ファイレクシアなデッキを組めと。
ファイレクシアなレガシーデッキと言えば、
これはなんとなく毒のイメージ。
既にアーキタイプが存在している事に加え、
「ファイレクシア」
と名のついたカードの種類を多く使えるのはEDHのほうだ。
レガシーもそれなりにプレイする店主だが、
EDHのほうが種類を楽しめるので、
ファイレクシアなデッキはEDHで考えてみよう。
(店主はEDHばっかり推しているイメージがありますが、
レガシー、ヴィンテージ、ドラフト大好きなのですよ。)
そこで白羽の矢を立てた生物はこの御方。
《囁く者、シェオルドレッド/Sheoldred, Whispering One》さん。
ストーリーでは、
新ファイレクシアにおける法務官の一人で、
ファイレクシアを支配するために陰謀に陰謀を重ねる御方。
ジン=ギタクシアスとは協力しているが、
エリシュ・ノーンとは仲が悪いご様子。
そして部下には《ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator》がいる。
これはとてもファイレクシアっぽいお人である。
白のエリシュ・ノーンと仲が悪いというのもポイントが高い。
《Sheoldred, Whispering One/囁く者、シェオルドレッド》
コスト:5黒黒
伝説のクリーチャー 法務官(Praetor)
沼渡り(このクリーチャーは、防御プレイヤーが沼(Swamp)を
コントロールしているかぎりブロックされない。)
あなたのアップキープの開始時に、
あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、
それを戦場に戻す。
各対戦相手のアップキープの開始時に、
そのプレイヤーはクリーチャーを1体生け贄に捧げる。
6/6
神話レア
7マナで6/6沼渡り。
パワーとタフネスはどうでもいい。
自分のアップキープには《ゾンビ化/Zombify》で、
相手のアップキープには《悪魔の布告/Diabolic Edict》。
これが強い。
着地から1~2ターン生きているだけで、
結構なアドバンテージを与えてくれる出来る子である。
回避能力である沼渡りは、
対戦相手3人もいれば誰か一人くらいは渡れる事もあるので、
狙えたらジェネラルダメージもそこそこに狙えなくはないが、
一度でも除去されてしまうと、
次が9マナなのが少々きつい。
ファイレクシアらしい土地である、
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》さえセットすれば、
相手が何色であろうとも渡れるようになるのは強み。
デッキは以下。
ジェネラル:《囁く者、シェオルドレッド/Sheoldred, Whispering One》
カード名の後ろに★がついているものは全てファイレクシア関連。
-クリーチャー20枚-
《ファイレクシアの発掘者/Phyrexian Delver》★
《ファイレクシアのガルガンチュア/Phyrexian Gargantua》★
《ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator》★
《ファイレクシアの疫病王/Phyrexian Plaguelord》★
《ファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Rager》★
《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》★
《ファイレクシアの食屍鬼/Phyrexian Ghoul》★
《ファイレクシアの鉄足/Phyrexian Ironfoot》★
《新たなるファイレクシアの魂/Soul of New Phyrexia》★
《疫病吐き/Plague Spitter》★
《ギックスの僧侶/Priest of Gix》★
《呪詛の寄生虫/Hex Parasite》★
《墜ちたる者ヴォルラス/Volrath the Fallen》★
《隆盛なるエヴィンカー/Ascendant Evincar》★
《肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder》
《無慈悲な処刑人/Merciless Executioner》
《ルーン傷の悪魔/Rune-Scarred Demon》
《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》
《恐血鬼/Bloodghast》
《血に染まりし勇者/Bloodsoaked Champion》
-インスタント6枚-
《四肢切断/Dismember》★
《暗黒の儀式/Dark Ritual》★
《弱者選別/Culling the Weak》★
《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
《殺戮の契約/Slaughter Pact》
《殺し/Snuff Out》
-ソーサリー11枚-
《ファイレクシアへの貢ぎ物/Phyrexian Tribute》★
《ファイレクシアの愛撫/Caress of Phyrexia》★
《法務官の掌握/Praetor’s Grasp》★
《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》★
《死の雲/Death Cloud》
《小悪疫/Smallpox》
《悪疫/Pox》
《Demonic Tutor》
《無垢の血/Innocent Blood》
《滅び/Damnation》
《犠牲/Victimize》
-エンチャント5枚-
《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》★
《Gate to Phyrexia》★
《ファイレクシア流再利用/Phyrexian Reclamation》★
《仕組まれた疫病/Engineered Plague》★
《土地の荒廃/Desolation》
-アーティファクト22枚-
《ファイレクシアの供犠台/Phyrexian Altar》★
《ファイレクシアの炉/Phyrexian Furnace》★
《ファイレクシアのトーテム像/Phyrexian Totem》★
《ネビニラルの円盤/Nevinyrral’s Disk》★
《スランの発電機/Thran Dynamo》★
《太陽の指輪/Sol Ring》
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
《友なる石/Fellwar Stone》
《思考の器/Thought Vessel》
《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《探検の地図/Expedition Map》
《Jeweled Amulet》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《通電式キー/Voltaic Key》
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》
《炭色のダイアモンド/Charcoal Diamond》
《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
-土地35枚-
《Urborg》★
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》★
《ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower》★
《ファイレクシアの核/Phyrexia’s Core》★
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《不毛の大地/Wasteland》
《Lake of the Dead》
《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
《露天鉱床/Strip Mine》
《陰謀団の貴重品室/Cabal Coffers》
《埋没した廃墟/Buried Ruin》
《ヴォルラスの要塞/Volrath’s Stronghold》
20《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》
——————————
なんだかデッキの説明よりも、
★マークのついているカードは、
どうしてファイレクシアなのかを説明する事が先のような気がする。
・《ギックスの僧侶》
ギックスさんはファイレクシア人。
僧侶さんもファイレクシア人。
・《疫病吐き》
こいつはファイレクシアの生き物。
・《呪詛の寄生虫》
・《四肢切断》
ファイレクシアマナのカードなので説明不要。
・《暗黒の儀式》
ウルザズ・サーガ版の《暗黒の儀式》のフレーバーテキストが下記。
「ファイレクシアは虚空から生まれた。
機械の父、偉大なるヨーグモスはその完成された形を予見なされた。
かくして”偉大なる進化”が始まった。
—–ファイレクシアの聖句。」
・《弱者選別》
これもフレーバーテキスト。
「弱者の血は、偉大なるヨーグモス様の御名を書き記すためのインクになるだろう。
—–要塞の建築技師の日誌。」
・《墜ちたる者ヴォルラス/Volrath the Fallen》
・《隆盛なるエヴィンカー/Ascendant Evincar》
ヴォルラスさんとクロウヴァクスさんは、
どちらもエヴィンカー。
このエヴィンカーとは
ファイレクシアがラースを支配するために任命した総督の役職名。
なので、どちらも古き世界から友情出演のお二人。
・《法務官の掌握》
この法務官は当然シェオルドレッドのこと。
他の法務官を指しているのなら、
このカードは黒にはならないはず。
・《ヨーグモスの意志》
説明不要のような気もするファイレクシアのボス。
カード化されていない事で大ボス感ある人。
フレーバーテキストでは
「偉大なるヨーグモス様」
と書かれるほどで、
黒好きの方は敬意を込めてヨーグモス閣下と呼ぶのが常識である。
・《仕組まれた疫病》
仕組まれた疫病の正式な病名はファイレクシア病である。
・《ネビニラルの円盤》
・《Urborg》
・《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
ネビニラルさんはヨーグモス閣下よりも先にアーボーグの玉座にいた人。
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》という土地名からも、
ネビニラル、ヨーグモス、アーボーグの3つを無関係とは言わないはず。
《ネビニラルの円盤》は若干強引かなと思いつつも、
これらもファイレクシア絡みという事に。
《ネビニラルの円盤》がファイレクシア絡みでなくても、
別にデッキで採用していけないわけではないので、
あまりここは気にせずに。
・《スランの発電機》
スラン国は既に滅びているが、
その技術力や知識はファイレクシア人が今もなお持っているため。
以上、ファイレクシアとカード名に無いカードの解説終了。
デッキの強さ云々よりも、
「ファイレクシア」に関するものかどうかを考えつつ、
ある程度のカードをデッキに採用していたが、
毒関連だけは大半避けて構築。
毒関連を入れるとどうしても毒デッキになってしまうので。
《ファイレクシアの愛撫》だけはただのドローソースとして採用。
どちらかと言えば《夜の囁き/Night’s Whisper》のほうが良いが、
やっぱりファイレクシアと名のつくほうを採用。
ちなみに、《冠雪の沼》を採用している理由は、
《ファイレクシアの鉄足》のためだけ。
入れたい人は《占術の岩床/Scrying Sheets》もどうぞ。
基本コンセプトは黒単コントロール系。
クリーチャー除去を中心に、
《悪疫》や《死の雲》で土地や手札を攻める。
個人的にはプレインズウォーカーとマナアーティファクトを並べて、
《死の雲》でトドメ!という感じが好きなのだが、
プレインズウォーカーはファイレクシアがらみが無さそうなので、
ひとまず1枚も採用せず。
開き直って《世界のるつぼ》を置き、
《Lake of the Dead》から全力の《死の雲》を目指そう。
ファイレクシア関連で一応1つは面白い組み合わせもある。
《新たなるファイレクシアの魂》
《ネビニラルの円盤》
の2枚。
カードの能力は、
《Soul of New Phyrexia/新たなるファイレクシアの魂》
コスト:6
アーティファクト クリーチャー アバター(Avatar)
トランプル
(5):あなたがコントロールするパーマネントは、
ターン終了時まで破壊不能を得る。
(5),あなたの墓地にある新たなるファイレクシアの魂を追放する:
あなたがコントロールするパーマネントは、ターン終了時まで破壊不能を得る。
6/6
神話レア
《Nevinyrral’s Disk/ネビニラルの円盤》
コスト:4
アーティファクト
ネビニラルの円盤はタップ状態で戦場に出る。
(1),(T):すべてのアーティファクトとすべてのクリーチャーと
すべてのエンチャントを破壊する。
レア
《新たなるファイレクシアの魂》の能力を起動し、
《ネビニラルの円盤》の能力を起動すると、
対戦相手のアーティファクト、クリーチャー、エンチャントだけを破壊出来る。
決まればそれなりには強い技。
コストが重たい事もあり、
滅多には決まらないとは思う。
黒にはチューターがあるので、
頭の片隅にでも置いておく程度には覚えておくと良い組み合わせ。
それから、友情出演と書いた、
《墜ちたる者ヴォルラス》
《隆盛なるエヴィンカー》
の2人は伝説のクリーチャーなので、
《囁く者、シェオルドレッド》と入れ替えて楽しんでも構わない。
メッセージをくれたお客様へ。
他のファイレクシアの名を持つものや、
ファイレクシア関連のカードも色々と考えましたが、
そこそこに戦える仕上がりにしたかった事もあり、
何枚かは不採用となりました。
(ウルザズ・サーガ版の《堕落/Corrupt》など。)
大昔から人気のある《ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator》も考えましたが、
《紅蓮地獄/Pyroclasm》や《燎原の火/Wildfire》で涙が出そうになるので、
これまた諦めました。
色々な試行錯誤の末、
セラ流EDHファイレクシアデッキはこんな感じに仕上がりました。
いかがでしょうか。
ご満足いただければ幸いです。
ではまた。
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EDHデッキ紹介その99(Sheoldred, Whispering One/囁く者、シェオルドレッド)
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