ツイッター質問箱でこのような質問をいただいた。
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英宝さんが最初に買ったシングルカードってなんですか?
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懐かしい。
初めてカードをシングルで買ったのは
まだこの世にビジョンズさえ出ていない時期だ。
(ビジョンズ発売日:1997年2月3日)
すごいな、四半世紀も前だ。
最初に買ったシングルカード
MTGを始めて、
結構早い段階でとあるカードを知った店主。
そのとあるカードとはピッチスペル。
ビジョンズに《火炎破/Fireblast》が登場するものの、
それ以前にはアライアンスにしかピッチスペルは存在していない。
そのアライアンスのピッチスペルに店主は憧れた。
「コスト踏み倒して呪文唱えるなんて最高にかっこいい。」
そう思ったから。
んで、人生で一番最初にシングルで購入したのは
《Contagion》
コスト:3黒黒
インスタント
あなたは、この呪文のマナ・コストを支払うのではなく、
あなたは1点のライフを支払うとともにあなたの手札にある黒のカードを1枚、
追放することを選んでもよい。
1体か2体のクリーチャーを対象とする。
それらの上に-2/-1カウンターを2個、望むように割り振って置く。
アンコモン
この黒のピッチスペル。
-2/-1カウンターという2022年までこのカードにしか存在しないカウンターを乗せる。
ルールとして、
+1/+1カウンターは-1/-1カウンターと相殺される。
しかし、このカードは-2/-1カウンターゆえに、
+1/+1カウンターとは相殺されない。
滅多にこれが役に立つ状況は無いとも言えるが、一応知っておこう。
今でも時々ヴィンテージのデッキに入っている事もあるカード。
メイン、サイド合わせて1~3枚くらいの採用を考慮されている、
今もなお熱いカードの1つ。
当時では
・《ストロームガルドの騎士/Knight of Stromgald》
・《Order of the Ebon Hand》
・《エルフの射手/Elvish Archers》
・《ボール・ライトニング/Ball Lightning》
を2匹倒せる、
・《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》
・《アーナム・ジン/Erhnam Djinn》
・《アーグの盗賊団/Erg Raiders》
を無効化または倒せる、
・《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
・《セラの天使/Serra Angel》
を無効化出来る、
などと当時のエース級生物への対処が柔軟に出来るカードだった。
プロテクションに引っかかるのは当然なので、
・《白騎士/White Knight》
・《白き盾の騎士団/Order of the White Shield》
・《Order of Leitbur》
・《疾風のデルヴィッシュ/Whirling Dervish》
あたりに効かないのは仕方ない。
とにかく序盤で動く敵に対して、
安定した対応が出来る優秀なカードだった。
あと、当時は
「黒の除去は黒に効かない。」
が多かった中で、
色を問わず除去出来る点を含めて優秀なカードだった。
パッと見てこのカードの強さが気に入り、
ネットでのシングルカード販売なんてほぼ無い時代。
(海外には存在したが、日本には一切存在していない。)
どうやって買ったのかと言うと、
RPGマガジン(その後雑誌名が変わっていくホビージャパンの月刊誌)の広告のお店から。
何て名前のお店だったかは忘れた。
電話注文くらいしか出来ないのに、
よく広告載せてたな、このお店。
確かこのお店に電話して《Contagion》2枚買った。
他に覚えている事としては、
この頃にアライアンスを開封して、
片っ端から英語の辞書で単語を調べ、
テキストを和訳していた。
我ながらよくやるものだと思う。
英語なんて大嫌いな学生が辞書をひいてまでMTGしたいのだ。
そんな魅力があったMTGはやはり素晴らしいゲームだと思い直す。
で、和訳していて気づいたのが、
白、青、黒、緑のピッチスペルまでは自分でひいていた。
赤だけは持っていなかったし、
どんなカードの効果なのかも知らなかった。
ちなみに赤はこれ
もし知っていたら注文していた。
しかし、知らないものを注文する方法は無かった。
このあたりはネットやスマホの普及した現在とは大きく違う。
でも、調べる方法が無い世界で自分で調べていく楽しみは大きかった。
考えてみると同じような境遇の人が多かったわけだから、
《Contagion》注文する人少なかったんじゃないのかな。
だいたいこのカード、
未だに和訳されていないんだから、
知らない人は全く知らないカードとも言える。
当時でも知っていた人は限られてたんじゃないか?
ちなみこの《Contagion》は
1997年の世界選手権の優勝デッキには採用されている。
デッキは
「5カラーブラック」(5CB)
と呼ばれるデッキで
黒単がメインで各色のカードをタッチしている事から、
この名前がついている。
この5CBの1年前の時点でこのカードを知っていた人は相当少ないだろう。
このカードが日本国内で知れ渡る1年近く前には、
店主は既にこのカードを手にしていた。
MTG黎明期のスタンダードをプレイした日本人はとても少ない。
「第四版+アイス・エイジ+アライアンス+フォールン・エンパイア」
だけのスタンダードなんてどれだけの人が経験したのだろう。
この時代のスタンダードには「1枚制限カード」なんてものまで存在した。
日本人は同時期にやっと日本語版第四版が出ただけだ。
ここから始めた人は日本語版第四版とクロニクルしか買っていない人も多かった。
学生で英語版にチャレンジ出来る人は限られていた。
この当時のスタンダードは日本語版第四版にもある、
・《露天鉱床/Strip Mine》
・《土地税/Land Tax》
・《黒の万力/Black Vise》
が1枚制限されていて、
1997年1月1日に制限カードという制度が廃止され、
・《露天鉱床/Strip Mine》
・《天秤/Balance》
・《黒の万力/Black Vise》
・《象牙の塔/Ivory Tower》
はスタンダード禁止カード入りしている。
(1997年以前に《精神錯乱/Mind Twist》と《チャネル/Channel》は禁止されている。)
こんなスタンダード経験したまま、
一度もやめる事なく現在もプレイしている人どんだけいるんだろう。
自分で言うと自画自賛というか、自身を指して言うような言い方だが、
この時代から現在までMTGをやっている人は、
「MTGの生き字引」
を名乗れる。
余談になるが、
1996年は、
あの最強手札破壊呪文《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》が大活躍し、
「黒い夏」「ネクロの夏」などと呼ばれた年。
(ネクロの夏であった事がわかりやすくするため、
チャンピオンデッキの画像。)
この黒い夏の世界選手権優勝者に贈られたものが《1996 World Champion》。
最初に海外通販で買ったカード
ちなみに初めて海外通販で買ったものも覚えている。
《Sandals of Abdallah》
コスト:4
アーティファクト
(2),(T):クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは島渡りを得る。
このターン、そのクリーチャーが死亡したとき、Sandals of Abdallahを破壊する。
(島渡りを持つクリーチャーは、防御プレイヤーが島(Island)をコントロールしているかぎりブロックされない。)
アンコモン
何故こんなものを買ったのかと言えば、
・絵が好きだった。
・サンダルというアイテム感が良かった。
・アブダッラーと書いてある世界観が気に入った。
全然強さ関係ない。
《Sandals of Abdallah》は購入後一度も使った事がない。
本当にただ絵が好き、世界観が好きで買った。
FFやってたらエルメスの靴や守りの指輪好きになるでしょ?
あれと一緒。
このサンダルだけじゃなくて、
どうしても!これだけは!と思って買ったのは、
確か《Tundra》だったはず。
なけなしのお金をはたいて《Tundra》1枚だけ。
スタンダードばかりの時代なのに、
既に開幕からレガシーやる気満々だったというか、
当時の静岡の環境にはレガシーをやる環境があった事が大きい。
《Tundra》は一番最初に憧れたカードだった。
「白も青もデメリット無しに出るカード!?
《セラの天使/Serra Angel》を使うには最高のカードじゃないか!
4枚欲しい!」
当時からこんな事考えていた奴だった。
何ドルだったかも覚えていないけど、
手に入れた時は嬉しかったなぁ。
その後4枚じゃ足りないとか言い出すMTGバカになっていくんだけど(笑)
人それぞれ始めた時期も違うから、
こういう最初の1枚も全く違うカードになるはず。
皆様もSNS等で「最初に買ったシングル」を書いてみても面白いかも。
ではまた。
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