インベイジョン・ブロック構築
インベイジョン・ブロックの最後のセットであるアポカリプスが出たのが2001年の夏。
その発売からすぐ、2001年の8月にGP神戸がインベイジョン・ブロック構築で開催された。
参加者数は1350名。
当時どころか、
かなりの長い間
「これほどのGP規模は存在しない。」
という参加人数を誇った驚異的な記録を持つGPだった。
記憶している限り10年以上破られなかった数字。
・神戸という立地
・インベイジョン・ブロック構築の魅力
この2つが合わさって成し得た偉業だったと言って間違いないだろう。
神戸牛の魅力は大きい(笑)
ここで神戸牛の魅力と三宮のおすすめステーキハウスについて語り出すのも吝かではないが、
本筋のインベイジョン・ブロックの魅力についてのお話にしよう。
インベイジョン・ブロックの魅力は、
当時多色エキスパンションが一切無かった中で、
突然に多色だらけの環境を提供してくれた事が大きい。
まずはインベイジョン
当時を経験した多くのプレイヤーは、
《吸収/Absorb》が手に入らない!
《蝕み/Undermine》が手に入らない!
《ウルザの激怒/Urza’s Rage》が手に入らない!
(このカード単色だけど)
のどれかで悩んだ人ばかりだったはず。
そのちょっと下のあたりのカードで、
だいたい3色デッキに1枚だけ入る、
《粛清するものクローシス/Crosis, the Purger》
《追放するものドロマー/Dromar, the Banisher》
《点火するものデアリガズ/Darigaaz, the Igniter》
《煽動するものリース/Rith, the Awakener》
《復活させるものトリーヴァ/Treva, the Renewer》
の3色ドラゴンサイクルが大きく話題になり、
多くの人達を魅了した。
この時代のドラゴンの数は少なく、
それなりに使えるドラゴンがこんなかっこいい形で出れば、
「とりあえず5種全部揃えたい。」
と思う人も少なくなかった。
取り分けこの5種のドラゴンの魅力はなかなかのもので、
英語名が特にかっこいいと話題になった。
「○○, the ○○」
という名付け方で統一されている事で、
ドラゴンの強さと威厳を表現している感じが人気を呼んだ。
これらと同時に
「インベ最強のカード」の名をもらったカードが別にあった。
それが《嘘か真か/Fact or Fiction》というアンコモン。
《嘘か真か/Fact or Fiction》
コスト:3青
インスタント
あなたのライブラリーの一番上からカードを5枚公開する。
対戦相手1人はそれらのカードを2つの束に分ける。
あなたは一方の束をあなたの手札に加え、もう一方をあなたの墓地に置く。
アンコモン
そのあまりの強さに2002年1月1日にはヴィンテージで1枚制限となる。
その後、2011年10月1日に制限解除。
約10年の時間制限されていた。
現在でも侮れないカードである事は間違いないが、
ヴィンテージではほぼ見る事は無くなった。
どちらかと言えばEDHで見る事が多いカード。
EDHでは多人数&相談OKならではの
「5:0」の分け方までありえる面白いカード。
そしてプレーンシフト
友好色の多色がさらに強化され、
この時代の赤の象徴、
《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》が登場。
黒赤の除去として今も人気の《終止/Terminate》。
その後の時代で活躍する最強コモンとも言える
《夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar》。
プレイヤーChris Pikulaのデザインによる
《翻弄する魔道士/Meddling Mage》。
ちょうどこのあたりの時代から
クリーチャーが段々と強くなっていく。
さらにアポカリプス
ここはMTG史上でも初の対抗色が中心。
初の対抗色ダメージランド5種の登場だけでなく、
多くのカードがトーナメントカードとなり、
数々の活躍をしていくエキスパンション。
当時最強を謳われた《魂売り/Spiritmonger》。
除去最強の《名誉回復/Vindicate》と《破滅的な行為/Pernicious Deed》。
《セラの天使/Serra Angel》を彷彿とさせる
《稲妻の天使/Lightning Angel》。
キッカーで《ハルマゲドン/Armageddon》ができる
《荒廃の天使/Desolation Angel》。
場に出たらカウンターが出来る《神秘の蛇/Mystic Snake》。
個性的でありながらトーナメントでも活躍する良カードが沢山登場した。
このプレーンシフトとアポカリプスの2つで、
さらに多色化は加速し、
デッキのバリエーションも色々な形になった時代だった。
この時代はブロック構築も盛んに開催され、
GPや世界選手権の種目にもあったほどだった。
で、前述の通り、インベブロック限定構築はとても熱い時代だった。
それをこの2年くらいでネットの大会でやろうという話題が出たり、
昔を懐かしんで構築しようという動きが日本で広まった。
特に復帰組、現役組は昔を懐かしむという事からも、
「よし、やるか!」
という人は多いようだ。
昔との大きな違いで、
このブロック構築には、高額カードが見当たらない。
それもこのブロック構築をやろうという人にやる気を起こさせている原因にもなっている。
インベイジョン、プレーンシフト、アポカリプス
この3つで高額なカードってなんだろう?
《ファイレクシアの供犠台/Phyrexian Altar》
《悪魔の意図/Diabolic Intent》
《エラダムリーの呼び声/Eladamri’s Call》
あとなんかあったかな・・・?
なんだか全然思いつかない上に、
上記のカード全然ブロック構築で使わなそうだぞ。
このブロックは高額カードを全然使わない。
なんだかんだで再録されているカードが多い事も含めて、
セット全体がお安い世界だ。
簡単に言うと、
「他のレギュレーションで遊んでいる人も、
それとは完全に別の資産でデッキ組んでも支障がない。」
という感じだ。
それでいてデッキのお値段もお安いときた。
一般的な人ってどのくらいデッキを持っているのかわからないけれども、
たぶん皆様お持ちのデッキにプラスしてインベブロック限定構築しても、
資産を食われる事はまずないであろうカードプール。
「他のレギュレーションのついでにデッキ持っとく?」
でOKな入りやすさはなかなかに魅力的。
そんな環境で3色くらいの多色環境を楽しむデッキを1つ持っても面白いはず。
みんなでとりあえず1デッキ持ってみるのは面白いかもしれない。
ちなみに、
一応このインベイジョンブロック限定構築は、
・インベイジョン
・プレーンシフト
・アポカリプス
の3つで組むのが当然なのだが、
ある程度のカードは再録されているのが現状でもある。
ただ、
オールドスクールのように
「せっかく作るんだから純正で組む。」
という人が多い。
再録版で組む人はあまりいないように見受けられる。
なんだかんだで、基本土地すらインベイジョンでしっかり染めてくる人が多い。
昔を懐かしむならばそこまでやろうという多くの人の気持ちが感じられて、
見ているだけで楽しくなる。
再録がダメって事もない世界なのだろうけど、
純正で行く方を推したいところ。
スタッフでMTG歴5年も無い人がこのインベブロック限定構築をやるというので、
せっかくなので店主もお付き合いしてみようと思いデッキを作る事に。
後ほどそのデッキを紹介予定。
ではまた。
The post インベイジョン・ブロック構築 その1。 first appeared on MtG買取/販売店【Cardshop Serra】.