この記事は2020年7月27日にnoteで掲載された記事をこらむに移行したものです。
ツイッター質問箱でこのような質問をいただいた。
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アルファ版のカードを全種1枚ずつ持っているとします。
英宝さんならどんなアルファ40のデッキを組みますか?
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これはなかなかに不思議な質問。
アルファ40ってなんぞ?という方はこちら↓
α40(アルファフォーティ)について
不思議な質問だけれども、これは面白い!
考えてみたくなる質問だ。
1つだけ残念な事は、
やろうと思ってもさすがにアルファのコンプを持っていない事だけだ!
ベータなら出来るのに!(笑)
“ほぼ”ハイランダー
さて、回答回答。
質問的にはほぼハイランダーでデッキを組めという事だろう。
何故「ほぼ」なのかという事については理由がある。
アルファは290種類。
ベータは292種類。
《黒の防御円/Circle of Protection: Black》と《Volcanic Island》
がアルファには無いので、こうなる。
当然アルファ40ではこの2種は使用出来ない。
ここまではアルファ40をやるなら常識の範囲。
問題はここから。
アルファとベータの違いはこれだけではなく、
基本土地の種類も違う。
アルファ:各基本土地2種の絵柄。
ベータ:各基本土地3種の絵柄。
となっているので、
全種1枚ずつとだけ言われてしまうと、
基本土地も2枚しか入れられない。
これを元に全種1枚ずつという事は、
土地が
デュアルランド9種
基本土地各2種=10枚
の19枚しか土地がない。
これが理由で「ほぼ」なのだ。
普通のハイランダールールなら基本土地は範囲外なので、
基本土地は何枚入れてもOKになるのだが、
質問者の条件が
「アルファ版のカードを全種1枚ずつ持っているとします。」
だったので、まずは基本土地は2枚制限で考えよう。
これでデッキを組めるのだろうか。
60枚デッキだと無理がありそうだが、
40枚なら行ける可能性がある。
面白そうな思考実験だからやってみよう。
いざ、構築!
まずはパワー9を全力投入。
青と赤だけではマナが無理そうだから、
他の色を選択しよう。
・・・白だ。
《セラの天使/Serra Angel》使おう。
ここで使わねば加藤英宝の名が廃るというもの。
白なら、
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
《解呪/Disenchant》
《天秤/Balance》
《ハルマゲドン/Armageddon》
《神の怒り/Wrath of God》
となかなかに優秀な候補もいる。
白が入れば、
《Tundra》
《Plateau》
《平地/Plains》が2枚。
あとは何を入れようか。
《巨大戦車/Juggernaut》
《心霊破/Psionic Blast》
《Wheel of Fortune》
《Braingeyser》
《地震/Earthquake》
あたりだろうか。
X呪文が増えると《ハルマゲドン》が若干邪魔になるか?
とりあえず一度このへんでまとめてみよう。
-土地-
《Black Lotus》
《Mox Pearl》
《Mox Sapphire》
《Mox Jet》
《Mox Ruby》
《Mox Emerald》
《Ancestral Recall》
《Time Walk》
《Timetwister》
《太陽の指輪/Sol Ring》
10枚
《セラの天使/Serra Angel》
《大気の精霊/Air Elemental》
《マハモティ・ジン/Mahamoti Djinn》
《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》
《火の玉/Fireball》
《分解/Disintegrate》
《稲妻/Lightning Bolt》
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
《天秤/Balance》
《神の怒り/Wrath of God》
20枚
《解呪/Disenchant》
《ハルマゲドン/Armageddon》
《地震/Earthquake》
《巨大戦車/Juggernaut》
《心霊破/Psionic Blast》
《Wheel of Fortune》
《Braingeyser》
《Tundra》
《Plateau》
《平地/Plains》
30枚
《平地/Plains》
《島/Island》
《島/Island》
《山/Mountain》
《山/Mountain》
35枚か。
マナのカードは土地8枚+モックス5枚と黒蓮。
《太陽の指輪》は0マナではないので上記のカウントから除外。
重たいカードが複数ある事を考えると、
マナはちょっと心もとない。
黒か緑の採用を考慮すべきか。
黒・・・・
《Demonic Tutor》
《精神錯乱/Mind Twist》
緑・・・・
《新たな芽吹き/Regrowth》
あんまり候補になりそうなカードがない。
《鉄の根の樹人族/Ironroot Treefolk》
通称:樫の木おじさんを採用する気にはならないし、
《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》の指定コストは、
既に白青赤を選んでいる時点でなるべく避けたい。
《セラの天使》:指定コスト白白
《大気の精霊》:指定コスト青青
《マハモティ・ジン》:指定コスト青青
《シヴ山のドラゴン》:指定コスト赤赤
《神の怒り》:指定コスト白白
という状態だ。
さすがにタッチする色で指定コスト2はやめておこう。
そうなると・・・
《Demonic Tutor》
《Underground Sea》
《Badlands》
《Scrubland》
《Chaos Orb》
採用候補はこのあたりか。
これだけで土地が3枚増えるのは大きい。
あとは《ハルマゲドン》抜いて《沼/Swamp》を足すか。
いや、もう緑も足すか。
最終的なデッキレシピ
色々考慮した最終形。
-クリーチャー4枚-
《セラの天使/Serra Angel》
《大気の精霊/Air Elemental》
《マハモティ・ジン/Mahamoti Djinn》
《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》
-インスタント4枚-
《Ancestral Recall》
《稲妻/Lightning Bolt》
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
《解呪/Disenchant》
-ソーサリー11枚-
《Time Walk》
《Timetwister》
《Wheel of Fortune》
《Braingeyser》
《Demonic Tutor》
《火の玉/Fireball》
《分解/Disintegrate》
《天秤/Balance》
《神の怒り/Wrath of God》
《地震/Earthquake》
《新たな芽吹き》
-アーティファクト8枚-
《Black Lotus》
《Mox Pearl》
《Mox Sapphire》
《Mox Jet》
《Mox Ruby》
《Mox Emerald》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《Chaos Orb》
-土地13枚-
《Underground Sea》
《Badlands》
《Scrubland》
《Tundra》
《Plateau》
《Savannah》
《Tropical Island》
《Bayou》
《Taiga》
《平地/Plains》
《島/Island》
《島/Island》
《山/Mountain》
出来た。
アルファ40版のThe Deckみたいだ。
The DeckとはMTG黎明期に作られた、
「理論上最強」と言われたコントロールデッキの事。
フィニッシャーには《セラの天使》が使われるバージョンもある。
ホンマモンのアルファで組んだら一体いくらかかるのだろう、このデッキ。
パワー9とデュアルランドが全力のデッキだ。
ベータとアンリミがありなら簡単に作れるので、
ちょっと作ってみてもいいかもしれない。
それにしてもこれはなかなか面白い。
アルファ限定だと地獄のような構築環境だが、
ベータ、またはアンリミまでに落として見たら案外遊べるのではないだろうか。
ベータやアンリミの場合なら、
《Volcanic Island》
が使えて、
基本土地が1枚ずつ増える。
「アンリミハイランダー40」
というルールなら、これは面白そうだ。
基本土地ですら絵柄を考慮して最大3枚しか採用出来ないというのは面白い。
ゆるくする事と単色デッキを考慮するなら、
基本土地だけは無制限にしたほうが良い。
もともとハイランダーのルールは、
「基本土地以外のカードは1枚制限」
なので。
今度ヴィンテージをやる友人達に持ちかけて、
誰かデッキを作れそうなら、
アンリミハイランダー40で遊んでみよう。
他の人がどんなデッキを組んでくるかも見てみたい。
それにしてもいろいろな質問が来るなぁと思う。
同時にいろいろな遊び方、
特に古いカード専用での遊び方が考慮されるようになった。
それだけMTGの歴史が深くなってきたという事だろう。
非常に喜ばしい。
ではまた。
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