今回のEDHデッキ紹介は卒論君。
ただの重たい青単生物君。
《Octavia, Living Thesis/生ける卒論、オクタヴィア》
コスト:8青青
伝説のクリーチャー エレメンタル(Elemental) タコ(Octopus)
あなたの墓地にインスタントやソーサリーであるカードが8枚以上あるなら、
この呪文を唱えるためのコストは(8)少なくなる。
護法(8)
魔技 ― あなたがインスタントやソーサリーである呪文を唱えるかコピーするたび、クリーチャー1体を対象とする。
ターン終了時まで、それの基本のパワーとタフネスは8/8になる。
8/8
レア
8という数字がいっぱい書いてあるタコ。
せっかくだから能力も8個つけておけば面白かったのになあ。
単純に見ると10マナ8/8。
護法(8)は
「このクリーチャーが対戦相手がコントロールしている呪文や能力の対象になるたび、
そのプレイヤーが(8)を支払わないかぎり、その呪文や能力を打ち消す。」
という能力。
護法(8)まで行くとほとんど呪禁。
呪文や能力に追加8マナなんてまず無理。
《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》などの
「打ち消されない」という能力に対しては意味がない。
それ以外ではほぼ呪禁。
それから勘違いする人が結構多いのが、
このカードは自分の墓地にあるインスタントやソーサリー1枚につき(1)減るわけではない。
インスタントやソーサリーの合計が8枚以上あるかどうかしかチェックしない。
つまり、このカードを唱える基本コストが
8青青
か
青青
かの二択しかない。
結構不器用さん。
8という数字にこだわり続けた結果と、
1枚につき1コスト減っていたら強過ぎたのだろう。
・・・強過ぎたは言い過ぎか。
とにかくこのカードは10マナ払うか2マナになるかしか選択肢がない。
(ジェネラルの再プレイの追加マナは別。)
でも8/8は強い。
何一つとして回避能力が無いけどパワー8は強い。
タコが空飛ぶのは無理があるから飛行は無いにしても、
トランプルか島渡りが欲しかった。
EDHとしては3回パンチで相手が沈むパワーは大きい。
デッキは以下。
ジェネラル:《生ける卒論、オクタヴィア/Octavia, Living Thesis》
-クリーチャー5枚-
《幽体のこそ泥/Ghostly Pilferer》
《遵法長、バラル/Baral, Chief of Compliance》
《金粉のドレイク/Gilded Drake》
《永遠神ケフネト/God-Eternal Kefnet》
《急嵐のトリクス/Thryx, the Sudden Storm》
-インスタント30枚-
《否定の契約/Pact of Negation》
《思考掃き/Thought Scour》
《High Tide》
《のぞき見/Peek》
《渦まく知識/Brainstorm》
《精神的つまづき/Mental Misstep》
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《もみ消し/Stifle》
《留意/Mental Note》
《白鳥の歌/Swan Song》
《呪文貫き/Spell Pierce》
《物語の終わり/Tale’s End》
《情報収集/Curate》
《応じ返し/Snapback》
《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
《明日からの引き寄せ/Pull from Tomorrow》
《マナ吸収/Mana Drain》
《差し戻し/Remand》
《任務説明/Mission Briefing》
《秘儀の否定/Arcane Denial》
《大あわての捜索/Frantic Search》
《否定の力/Force of Negation》
《直観/Intuition》
《岸の飲み込み/Engulf the Shore》
《嘘か真か/Fact or Fiction》
《偏った幸運/Fortune’s Favor》
《誤った指図/Misdirection》
《水没/Submerge》
《意志の力/Force of Will》
《運命のきずな/Nexus of Fate》
-ソーサリー20枚-
《思案/Ponder》
《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
《血清の幻視/Serum Visions》
《入念な研究/Careful Study》
《定業/Preordain》
《評判高い挑戦者/Acclaimed Contender》
《商人の巻物/Merchant Scroll》
《意外な授かり物/Windfall》
《Timetwister》
《圧倒的な波/Whelming Wave》
《荊州占拠/Capture of Jingzhou》
《壊滅的大潮/Devastation Tide》
《時間操作/Temporal Manipulation》
《時間のねじれ/Time Warp》
《時のらせん/Time Spiral》
《水の帳の分離/Part the Waterveil》
《永劫での歩み/Walk the Aeons》
《アールンドの天啓/Alrund’s Epiphany》
《時間の熟達/Temporal Mastery》
《時間の伸長/Time Stretch》
-アーティファクト6枚-
《金属モックス/Chrome Mox》
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《サファイアの大メダル/Sapphire Medallion》
-プレインズウォーカー2枚-
《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
《記憶の熟達者、ジェイス/Jace, Memory Adept》
-土地36枚-
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《神秘の聖域/Mystic Sanctuary》
《虹色の眺望/Prismatic Vista》
《魂の洞窟/Cavern of Souls》
《トレイリア西部/Tolaria West》
《The Tabernacle at Pendrell Vale》
《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》
《ならず者の道/Rogue’s Passage》
《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》
《変わり谷/Mutavault》
21《島/Island》
—–
使い方は簡単・・・なようで難しい。
考える事は多いわりにやる事は少ないと言えばいいのだろうか。
自分のターンにやる事があんまり無いデッキ。
「アンタップ!アップキープ!ドロー!
土地置いてエンド!」
くらいにやる事無い。
とにかく隙を見せず、
ソーサリーのドロー呪文撃つか構えるか。
あとは自分の手前のターンの終わりくらいにドロー呪文。
カウンター構えてエンド宣言しまくりただただ様子見。
墓地にあるインスタントとソーサリーの数をかぞえて、
「1時間目ー。」(墓地に1枚)
「2時間目ー。」(墓地に2枚)
ってカウントするだけ。
もしくは
「卒論まであと単位X個。」
とカウント。
卒業出来る単位を超えたら、
「卒論提出ー。」
って言ってお伺いを立てる。
カウンターされたら、
「卒論落とした。」
と言ってエンド宣言。
《ボジューカの沼/Bojuka Bog》置かれたり、
《Timetwister》を撃たれたりしたら、
「留年。」
と言いながら1年生からやり直し。
あんまりやる事無い割に会話が楽しいジェネラル。
デッキに入れるいくつかの候補として、
《Hall of Oracles/神託者の広間》
土地
(T):(◇)を加える。
(1),(T):好きな色1色のマナ1点を加える。
(T):クリーチャー1体を対象とする。
それの上に+1/+1カウンター1個を置く。
ソーサリーとしてのみ、かつ、あなたがこのターンに
インスタントかソーサリーである呪文を唱えていたときにのみ起動できる。
レア
《Tyrite Sanctum/タイライトの聖域》
土地
(T):(◇)を加える。
(2),(T):伝説のクリーチャー1体を対象とする。
それはそれの他のタイプに加えて神(God)になる。
それの上に+1/+1カウンター1個を置く。
(4),(T),タイライトの聖域を生け贄に捧げる:神1体を対象とする。
それの上に破壊不能カウンター1個を置く。
レア
これらの土地を入れる選択肢も面白い。
理由がしっかりとあって、
まず、
卒論君は8/8。
どちらかの土地を使って+1して9/9になる。
これでプレイヤーAを殴る。
次のターンにまた土地の能力で+1して10/10になる。
これでプレイヤーBを殴る。
次のターンにまた土地の能力で+1して11/11になる。
これでプレイヤーBを殴る。
この時点でプレイヤーBはジェネラルダメージ21点でサヨウナラ(退学)。
次のターンも同様に強化して12/12になる。
ここでプレイヤーAを殴ると合計21点になるのでプレイヤーAもサヨウナラ(退学)。
最後にプレイヤーCを2回殴れれば勝利(自分は無事卒業)。
殴る回数としては
8点パンチを3回×3人分の合計9回ではなく、
6回で済むので結構有用な土地。
実際に一時採用していたが、
《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》
《変わり谷/Mutavault》
《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》
《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》
の4種のほうが面白いのでこちらを採用。
特に《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》が熱い。
ちょいと感染で毒らせておいて、
卒論君を降臨させ、
卒論君の一番下の能力、
「あなたがインスタントやソーサリーである呪文を唱えるかコピーするたび、
クリーチャー1体を対象とする。
ターン終了時まで、それの基本のパワーとタフネスは8/8になる。」
によって、
《墨蛾の生息地》を8/8にしてパンチで毒殺も狙える。
あと、面白いのは《水の帳の分離》。
これで土地をクリーチャーにした際には
+1/+1カウンターを6個乗せた0/0の土地なので、
卒論君能力を使うと14/14の生物でパンチ出来る。
ほとんどデッキにクリーチャーを採用していないものの、
このデッキは動き出すと一撃が大きい。
追加ターン呪文との組み合わせで3人全員殴り倒す事も結構出来る。
上記4種のクリーチャー化が可能な土地のスロット上、
前述2種の強化土地を採用しなかった。
実戦としての経験で、
序盤は上記のごとくカウンター構えて待ちの姿勢。
単位が揃ったら卒論提出。
そこからは
1:《墨蛾の生息地》があるなら1人毒殺。
2:1人は卒論君パンチで退学。
3:1人は40ダメージ与えきる。
が選択肢。1が出来ない場合は2か3でもう1人。
思った以上の攻撃力が出る。
また、このカードも入れても悪くない。
《Serpent of Yawning Depths/最深淵の海蛇》
コスト:4青青
クリーチャー・エンチャント 海蛇(Serpent)
あなたがコントロールしている
クラーケン(Kraken)、リバイアサン(Leviathan)、タコ(Octopus)、海蛇(Serpent)は、
クラーケンやリバイアサンやタコや海蛇によってしかブロックされない。
6/6
レア
このカードは採用しても面白いかもしれない。
2枚目の《ならず者の道》みたいなものでもあり、
ジェネラル能力で8/8にする先でもある。
だいたい対戦相手にこの4種そんなにいないはずなので、
滅多な事ではブロックされなくなる。
あと、デッキの構築上、
「なんでマナアーティファクトこんなに入れないの?」
と思う人もいる事だろう。
なにせ、
《太陽の指輪/Sol Ring》
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《サファイアの大メダル/Sapphire Medallion》
くらいしか採用していない。
《サファイアの大メダル》もあんまり無理しなくてもいい。
理由はシンプル。
卒論君は8枚墓地にインスタントかソーサリーがあれば8マナ軽減。
「ドロー呪文を1枚撃つごとに最低1マナ軽減」
という計算になるから。
前述の通り8マナ軽減されるだけで、
1マナずつ軽減されていくわけではないのだけど、
卒論を出すのが目的だ。
(本当に大学に卒論を提出するみたいな言い方だ。)
卒論が通るか通らないかだけが大切だ。
他の事は一切考えていない。
(この文も学生みたいな言い方だ。)
考えてみると一応理にかなっている・・・はず。
というより経験談。
卒論は滅多な事では4ターン目までに出ない。
大学に最低4年(4ターン)はいろよ!
ちゃんと単位とれよ!
と言わんばかりに4ターン目に出すのは難しい。
飛び級はそんな簡単ではない。
するとどうなるか。
1ターン目:土地置いてエンド!
2ターン目:土地置いてエンド!
3ターン目:土地置いてエンド!
4ターン目:土地置いてエンド!
メインフェイズはほとんどこんな感じ。
ソーサリーのドロー呪文である、
《定業》や《思案》は撃つ事がある。
あとはインスタントドロー呪文は、
自分の手前のターンの終わりくらいに撃つ。
4ターンくらいはあとはカウンター構えて待ちの姿勢。
なんにもやる事がない。
大学に入ったら遊んでばかりいる学生くらいに何もしない。
・・・このカード、そういう意味でもよく出来ているな。
ただし、カウンター構えて待ちの姿勢は結構強い。
隙を見せない状況になりやすいから。
この状況から8単位取得まで時間を稼げたら、
コスト:青青だけで卒論提出。
卒論が通れば、
卒論君は8/8というフィニッシャーで、
単体除去がまず撃てない性能。
《肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder》
《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
などのプレイヤーにクリーチャー生贄を強いるカードを気をつければいい。
青青だけのコストで出ているので、
残りのマナでカウンターを構えやすく、
この点でも隙が少ない。
仮に追加ターン呪文をフルタップで撃っても、
卒論君を潰せるカードは少ないのでここも隙が少ない。
仮に除去されても、
8コスト軽減されているので、
次は2青青。
除去された後に墓地を追放されるときついが、
そうでない限りは6マナくらいまでは出しやすい範囲。
パーマネントがあまり並ばない構築なので、
唯一の弱点は土地破壊。
《ハルマゲドン/Armageddon》
《抹消/Obliterate》
といったカードを食らうと不利になる。
卒論君が出ていない状況で《大変動/Cataclysm》もまずい。
あと「学校っぽい。」という理由で
《リスティックの研究/Rhystic Study》を入れておくのはアリ。
ついでになんで?と思われそうなカードが採用されているので、
説明を書いておくと、
《時のらせん/Time Spiral》
《Timetwister》
の2枚は自分で自分の墓地をお掃除するカード。
これ採用するの?
と思われるものも無理はない。
単純な話で、
卒論君を着地させたら墓地が何枚あるかはどうでもいい。
卒論君が除去されてしまうと不利になるが、
除去されない状況であるのなら、
この2枚はカウンターなどで使い果たした手札の補充として優秀。
当たり前の話だけれども、
「撃って自分が不利になるときは温存」
でいいわけで、
卒論君が出てから撃つためのカード。
実際に何度も使ってみたが、
手札で腐って困るという事は無かった。
ちなみに使っていて一番面白かったのは、
店主「単位がたまったんで卒論出します。」
相手「《替え玉》で卒論出させて下さい。」
店主「替え玉で卒論を提出だと!?」
相手「ええ、替え玉です。」
店主「そんな不正がまかり通るわけが・・・通ります・・・。」
(手札にあったのが《誤った指図/Misdirection》だけだった。)
4人で大爆笑。
この後も別のプレイヤーが
「替え玉は良くねえよなあ。
不正はアカンよ。」
と言いながら殴りかかったり、
《蜃気楼の鏡/Mirage Mirror》で卒論君をコピーしようとしたら、
マナが払えず、
「タダで卒論を写させるわけには行かないよなあ。」
と言ったり。
卒論君1枚でこんなに会話が面白くなると思わなかった。
ここ最近のジェネラルでもなかなかに面白い1枚だったので、
皆様オススメ。
ただし、プレイングは結構シビアなのでご注意を。
ではまた。